2017年3月25日土曜日

リアルけものフレンズ ヒグマちゃん・リカオンさん




けものフレンズに登場する動物たちを紹介しようという企画です。今回は11話登場のヒグマちゃんとリカオンさんを紹介します。ヒグマの解説をがっつり入れてしまったので、リカオンの解説だけを読みたい方は、下のほうまで飛ばしてください。

日本最強動物ヒグマ

上野動物園のエゾヒグマ
ヒグマの亜種
エゾヒグマ
ヒグマはユーラシア大陸や北米大陸に住む大型のクマです。ヒグマは広い地域に住んでいるため、沢山の亜種が存在します。ハイイログマ(グリズリー)やエゾヒグマと呼ばれる有名なクマも、ヒグマの亜種という位置づけになります。けものフレンズのアプリ版ではヒグマの他、エゾヒグマ・ハイイログマ・ゴディアックヒグマ・カムチャッカオオヒグマなどが登場しています。

今回は長くなるので最初に簡単な説明をすると、ヒグマは他の動物にはない凄い冬眠能力を持つ生き物です。大きな体を維持するため、沢山の餌を必要とします。そして大きな体で動物の中でも最強クラスの強さを持つ中、人などに対しては臆病な反応をする繊細さも持ちます。そんなヒグマについて日本に住むエゾヒグマ生態を中心とし、紹介をしていきたいと思います。

冬眠してもへっちゃら?

上野動物園のマレーグマ
暖かいところに住む
マレーグマ
クマと言えば冬眠です。ヒグマに限らずクマの冬眠能力は、とてもすごい能力です。マレーグマなど暖かいところに住んでいるクマは冬眠しませんが、ある程度の寒くなるとろころに住むヒグマやツキノワグマは冬眠します。ホッキョクグマ(シロクマ)は変則的で、子供を産む母グマだけが冬眠します。

クマは冬が近くなると木に出来たうろなど、そういった穴状になっていることろをねぐらにします。そして冬眠に入ると、代謝を落とし体力の消費を落とします。ただし、クマは体温を大幅に下げることなく、普段の体温から4~6度下げるだけで他の動物のような大幅な体温低下はありません。さらに春になるまで起きることは無く、食べも排泄もすることはありません。更にメスは冬眠中に出産し、春に目を覚ますまで眠ったまま母乳を与え子育てをします。

この時凄いことの一つ目として、体力的な低下は最低限ということです。人間の場合、ずっと寝ているとたんぱく質が分解されて筋力が落ちたり、カルシウムが血中に流失し骨密度が低下します。しかし、クマの場合脂肪が消費される以外は、殆どそういったことが起こりません。さらに骨密度の低下は、加齢によって起こることもあまりないとされています。この仕組みをよく理解できれば、人間の健康維持にとっても大きな意味を持ちます。高齢化社会を迎える人類にとっては、特に重要です。

冬眠時は脂肪以外はほとんど消費することはないと説明しましたが、この消費の仕方もとても上手なものとなっています。脂肪を分解しエネルギーに変える時に水分が発生しますが、その水分を上手く利用することで飲み水を不要としていると考えられています。食べたら排泄が必要ですが、こちらも上手い仕組みがあります。体内で発生した尿素を窒素源として再利用してアミノ酸を合成し、ゴミとなるアンモニアを最小限に抑えているのです。これほど上手いシステムを体に備えてはいますが、それでも冬ごもりの時には非常に大きなエネルギーを必要としています。

とにかく食べまくれ

メスのヒグマは1.8~2.5mで体重100~300kg、オスが2.5~3mで250~500kgほど、エゾヒグマは少し小さくなってメスが1.6~1.8mで体重が150~160kg、オスが1.9~2.3mで120~250kgなどと言われています。ヒグマはとても大きく、エゾヒグマでニホンツキノワグマの二倍ほどとなります。これだけ大型の動物は日本では他に存在せず、日本最強の動物と言えます。体が大きくなると食べ物が沢山必要になります。更にクマ特有の問題として、冬眠に向けて脂肪を蓄えることも必要です。こういった事情からクマは沢山食べる必要があり、冬眠するクマは特に沢山食べる必要があります。

ヒグマは常に沢山の物を食べるのですが、困ったことが一つあります。ヒグマの先祖はもともと肉食動物なので、植物などは効率的に摂取できるとは言えません。しかし、動物だけを狙って食べるのは大変で、えり好みもできず雑食でいろいろ食べるしかありません。そこで常にその時旬で栄養価の高いものを食べて、吸収率の悪さは栄養価で補う戦略をとっています。春に目が覚めた時はまだ食べ物が少ないので、越冬に失敗したシカやなどを食べます。次に新緑の季節になれば新芽などを食べ、虫が活発になるようになればアリやハチなどでたんぱく質を摂取します。夏に入り畑に様々なものが実ってくればそれを失敬し、秋で果物や木の実が実ればそれを食べます。こういった形で常にその季節の最高のものを出来るだけ食べています。

ヒグマと言えば木彫りのクマです。サケを咥えた姿は、長い間北海道のお土産として不動の地位を誇っていました。しかし、あれはあまり正しくありません。アラスカなどのヒグマは冬に向けて遡上するサケをバクバク食べますが、エゾヒグマはあまり食べません。理由としては北海道といえど河川改修があちこちで行われ、サケが山奥まで遡上できないこと、今もサケの遡上が沢山見られる海辺に近い河口部は人が多くヒグマとしてはあまり行きたくない場所という理由です。そのためエゾヒグマはサケを食べたいと思っているものの、食べることが出来ない状況が続いていました。しかし、クマを見たらとにかく追い払うなどを止めた知床などでは、河口でサケを食べるクマが見られるようになっているそうです。サケは海から森や森の動物たちに恵みをもたらす存在です。日本は自然災害も多く河川改修は必要なので、全て止めるのは出来ません。サケの遡上は生態系で非常に重要なので、最低限に留めるよう注意が必要です。

サケとクマの関係で面白い話があります。それは食物の中でサケの依存度が高い地域のクマは、白いクマが見られるようになるという物です。カナダのグリブル島ではツキノワグマに近いクロクマという種類の白色個体、スピリットべアというのが見られます。この島では島に住むクマの半分が白色で、半分が普通の黒です。択捉島のヒグマも、白色個体が一部生息しています。これらはサケを川で狩るとき、体色が白いほうが魚から見た時に空と一体化し狩りの成功率が高いため、サケに依存度の高い地域では白い個体が生き残ったとされています。

※参考文献
門崎允昭 「北海道におけるヒグマの食性」、総合地球環境研究所・北海道大学 (2016) 「択捉島のヒグマはサケに強く依存した食生活」

ヒグマの頭の良さと人間

木をひっくり返すエゾヒグマ
木をひっくり返す様子
ちょっとしたものなら凄まじいパワーでひっくり返します
ヒグマは縄張りを持ちません。個体ごとに性格や傾向はあり、山奥から出ないものや人里近くで生きるものなどといったものはあります。しかし、ここからここは自分縄張り!のようなことはせず、必要とあらば遠くまで旅に出ることもあります。先ほど説明したように様々な食べ物を沢山必要とするので、縄張り自体が現実的な選択肢ではないのかもしれません。また、若いオスに限っては生息地を広げるためか、遠い場所まで移動する本能のような傾向もあるとされています。

必要とあれば様々な場所へ行くこと、常に沢山の食べ物を必要とすることで困ったことがおきます。トウモロコシ畑のような最高の餌場があればそれを利用しない手はありませんし、人間の残した残飯なども楽して手に入れることが出来るごちそうです。そうした理由から「人里=最高の餌場」と認識してしまうと、足しげく通うようになってしまいます。こうならないようにするため、農場と林や茂みの間に草刈りをして見晴らしのよい緩衝地を作り警戒心の高いクマを畑に近づきにくくしたり、ゴミの管理を徹底するなどが必要なのです。さらにクマは非常に学習能力の高い動物です。良い餌場だと判断すればどんどん利用する反面、爆竹などで驚かされて恐ろしい場所だと認識すればやってきません。もともと繊細な面を持つ動物なので、様々な方法で人里は恐ろしい場所と認識させればかなり効果的です。本能ではなく学習なので、継続してクマへの対応にあたることも重要です。ただ、ヒグマは個性豊かな面もあります。その個性として、すぐに人は恐ろしい動物だと認識する個体もいれば、何度やっても恐れをなさず人里に降りてきてしまう個体がいるのも事実です。

北海道特有の問題としては、ヒグマの生息数とシカの問題があります。世界的に見ればクマ全体が、生息地の破壊や害獣としての駆除で減少傾向にあります。北海道も決して増えているとは言えませんが、世界的に見ると非常に高い密度でヒグマが生息する場所です。どんなに注意していてもヒグマが人里に降りてきたり、山で突然であってしまうことが起きてしまいます。

もう一つの問題としてシカの問題があります。北海道ではシカが増えすぎて駆除が行われています。駆除された個体全てを持ち帰ることが出来れば良いのですが、現実的には難しいことです。その場に残されたシカをクマはごちそうとして利用します。サケの遡上が難しくなったいまでは、最高のタンパク源と言えるでしょう。少しだったらさほど問題ないのですが、沢山放置されることで冬眠を止める個体すら出てきている状況です。なかなか難しい問題ですが、対応の方法を変える必要に迫られています。

※参考文献
編集 坪田敏夫・山崎晃司 (2011) 『日本のクマ―ヒグマとツキノワグマの生物学』 東京大学出版、岩井基樹 (2010) 『熊のことは、熊に訊け。 ヒトが変えた現代のクマ』 つり人社

「日本のクマ」は硬い本ですが、非常に勉強になるのでお勧めです。これを読めばエゾヒグマとツキノワグマについての概要は、今ある書籍の中ではかなり正確に把握できるのできると思います。「熊のことは、熊に訊け。」は癖がありよく判断しながら読む必要を感じますが、こちらも一読の価値はあると思います。

チームワークのリカオン

ズーラシアのリカオン
リカオン
アフリカのサバンナに住む動物で、環境破壊や伝染病のジステンパーで数を減らし絶滅危機種となっています。日本の動物園ではズーラシアでしか見ることが出来ません。

ブチハイエナ
ブチハイエナ
リカオンは食肉目イヌ科リカオン属の動物です。ハイエナは4種いますが、日本の動物園にいるのはだいたいブチハイエナです。ブチハイエナとリカオンの写真を見比べて頂くと分かると思いますが、体型は結構違います。ハイエナに模様は似ていますが体型はハイエナのほうがぽっちゃりしていて、リカオンはやっぱり犬っぽい体型をしています。

オオカミっぽい習性だけど…

イヌ科なのでオオカミのような群れを作ります。オオカミ同様に群れのトップはつがいで、その下に各メンバーが付きます。オスのほうが多いことが多く、最大でメスの二倍程度のオスが居ます。普段は群れで放浪しますが、子育ての時だけ巣穴をつくり留まります。トップのつがいだけが子供を産み、子育ては群れのみんなで行います。また、メスは母性本能が強く、各メス同士で子育てする子供をめぐり争うほどです。巣穴や子育ての仕方はオオカミと似ていますね。

逆にオオカミと違うのは、子供が育つとメスが旅立つところです。群れのうちオスは血縁があるのですが、メスは血縁がありません。血縁のあるオスの群れに、放浪してきたメスが加わるからです。そのためメスのほうが、順位争いが激しいです。遺伝的に血縁関係のあるオス同士は、誰がリーダーだろうと自分と血を分けているので争うより強力することのメリットが大きくなります。逆にメスは自分の子以外は血縁がありません。そのため皆がリーダーを目指す必要が生まれてくるのだと推測できます。

狩りは当然群れで行います。小動物なども食べますが、中心となるのは中型のシカの仲間です。アニメでリカオンさんが「オーダーきついですよ~」と言っていたのは、連携が得意な反面単独で追跡のようなのは本来の特性から離れているからもあると思います。

※参考文献
D.W.マクドナルド編集,今泉吉典監修 (1986) 『動物大百科1 食肉類』 平凡社、IUCN レッドリスト リカオン

その他各話登場フレンズ-「その他各話登場フレンズ紹介一覧」 「サーバルちゃん」 

リアルけものフレンズ マレーバクちゃん・ジャガーさん・オセロットちゃん




けものフレンズに登場する動物たちを紹介しようという企画です。今回はマレーバクちゃんとジャガーさんを紹介します。

白黒模様の有難いやつ

多摩動物公園のマレーバク
優しそうな顔の
マレーバク
マレーバクは名前に「マレー」という地名が付くように、マレーシアなどの東南アジアのあたりに生息する夜行性の動物です。数はあまり多くなく、絶滅危機にあります。住み家は森林などでも水辺に暮らします。そのため乾燥には強くありません。餌は水生植物から木の芽や果実と、植物の類であれば広く食べるようです。体は結構大きく豚と牛の間ぐらいで、どちらかと言えば牛よりの大きさです。

悪夢を食べてくれる空想上の生き物「獏」の元になったとかならないとか言われています。昔はもっと生息範囲が広かったであろうことや、大昔から人類は遠方と様々な交易を行っていたことを考えれば、多かれ少なかれインスピレーションを与えたと私は想像します。その他にも仏教的にありがたい生き物とされているそうです。

分断色でカモフラージュ

ボスが説明していたように、この白と黒の模様は夜になると輪郭を曖昧にして目立たなくする効果があると言われています。このような模様を分断色と呼びます。パンダ・パンダイルカ・シャチなどいくつかの動物が似たようなパターンを採用しているところからも、特別な模様ではなく自然界では一定の効果はあるパターンのようです。ちなみに子供はイノシシのうり坊に近い模様をしています。

ここでもう少し模様について、突っ込んで考えてみようと思いまが、私の考えを多く含むので注意してください。実は違うんだよ!など、詳しく知っている方がいましたら、お気軽にコメント欄のほうへお願いします。

ではまず、大人と子供とで模様が違う理由ですが、これはおそらく天敵の種類によるものです。大人になれば体が大きいので、あまり小さな肉食獣に襲われることはないはずです。となると、襲ってくるのはトラなどの大型の肉食獣です。ネコ科の動物は一般的に色彩を見分ける能力が低いと言われています。なので一見目立つ模様でも、トラなどの特定の動物に向けてピンポイントで作用するのではないでしょうか。

次に子供の時ですが、体が小さいため猛禽類や中型の肉食獣など、様々な動物に捕食される恐れがあります。そのため幅広い動物に対して効果的な模様が必要になります。特に鳥類空を飛ぶ関係上目も良く、色もしっかり見分けられます。そのためパンタ柄のような特定の動物だけに作用するのではなく、捕食者全般に使える模様としてうり坊模様なのだと思います。また、うり坊タイプの黒っぽい色と薄い黄色っぽい二色の模様はウズラの子なども採用してることら、小型の動物が地面をうろうろするのには親和性が高いのだと思います。

鳴き声は意外と綺麗な感じ


草食動物ということで、「ヴェェー」とかヒツジやウシのように低い声で鳴くのかと思いっていました。しかし実際は「ピィー、ピィー」と高い声で鳴いていました。声も透き通っている感じで、なんだか意外です。ちょうど見た時は動き回ってる時で、フットワークも軽く軽快な印象を受けました。

お母さんバクと子バクが一緒にいるところも見ましたが、なんだか和みますよね。

南米最強のジャガーさん

寝ている天王寺動物のジャガー
天王寺動物園の
ジャガーさんですやん!
ジャガーは南米に住む大型の肉食動物です。大きさとしては、ライオンのメスぐらいの大きさです。なかやまおにいさんも言っていたとおり、ずんぐりむっくり頑丈な体で強靭な顎を持っています。同じく南米に生息する大アリクイは、対ジャガーさんの顎用に首が強化されているくらいです。模様は黒丸の中に点があるタイプで、アニメにも登場したオセロットちゃんが似た模様をしています。

寝ているジャガー
器用に寝る
後で紹介するオセロットほどではありませんが、ジャガーも木登りは得意なほうです。写真は天王寺動物園のルースで、器用に木の棒の上で寝ています。劇中で船渡しをしていたように、ネコ科でありながら泳げます。というか泳げないと生きていけないのです。アマゾンには湿地なども多く、水が嫌いだとまずそこが行動できなくなります。更に雨季になると非常に水位が上がるところも多く、森林なのに水浸しになってしまうところもあります。そのため泳げないとかなり行動が制限されてしまうことになり、必然的に泳ぎの上手いものだけが生き残ったのだと思います。

ジャガーは縄張りを持ち、基本は単独で生きる生き物です。年老いたジャガーは若いジャガーに縄張りを奪われていくなんてこともあります。ジャガーさんが最初かばんちゃんたちを無視して通り過ぎそうだったり、アライさんたちに言いたいことを伝えられないのは、元々は単独生活でコミュニケーションがちょっと苦手なのが関係しているかもしれません。

8話のライブ観客としてちょっとだけ登場したブラックジャガーはジャガーの黒色個体です。劣勢遺伝なので両親がブラックジャガーでないと、子供が確実にブラックジャガーになることはありません。日本平動物園で見ることが出来ます。

木登り上手のオセロットちゃん

お昼寝中のオセロット
お昼寝中のオセロット
オセロットはネコ科の動物です。南米を中心に生息しますが、アメリカまでの南米以北にも数は少ないですが生息します。日本の動物園ではズーラシアでしか見ることが出来ません。食性は小動物・爬虫類・鳥類となんでも食べる肉食です。基本的に単独で生活します。体長は65~100cmです。南米に住む他のネコ科の動物と大きさを比較すると、マーゲイ・オセロット・ジャガーの順に大きくなります。逆に木登りの上手さは逆の順番となり、マーゲイは全ネコ科の中でもトップくらすの木登りの上手さを誇ります。PPPライブでサーバルちゃんと同じくマーゲイさんが木の上に陣取ったのは、そういう習性も関係しているんですね。

ズーラシアのオセロット
他のネコ科の動物と同じく夜行性ですが、日の出と日暮れが特に活発に動きます。アニメで木の上で寝ていたのはそのためですね。一日の活動時間は12~14時間と、結構健康的な感じの時間配分です。一枚目の写真はお昼頃で寝ていたのですが、二枚目の写真は閉園間近の夕方で起きていました。

耳の後ろに白い部分がありますが、これは虎耳状斑(こじじょうはん)と言われるものです。ネコ科の多くの動物に見られるもので、親が子供を見つけるためのものと言われています。イエネコでは失われています。イエネコに近いヤマネコ類で持っています。イエネコに最も近いリビアヤマネコの写真を見たところ、やはり虎耳状斑は持っているようです。

余談ですが、オセロットと聞いて「待っていたぞスネェ~ク!」のほうを思い出した方も多いと思います。オセロットは愛国者の手で育てられていたので、MGS3でも純粋なヴォルギン側の人間ではありません。おそらくそれが理由で、ロシアには生息しないオセロットの名前がついていたのだと思われます。

その他各話登場フレンズ-「その他各話登場フレンズ紹介一覧」
2話じゃんぐるちほー登場フレンズ-「サーバルちゃん」 「カワウソちゃん」 「フォッサさん・ミナミコアリクイちゃん・タスマニアデビルちゃん」

2017年3月15日水曜日

リアルけものフレンズ アミメキリンちゃん




けものフレンズに登場する動物たちを紹介しようという企画です。10話登場のアミメキリンちゃんを紹介します。

日本で一番見れるアミメキリン

アミメキリン
お茶目顔?のキリン
舌が青い
キリンはアフリカのサバンナで見ることの出来る代表的な動物です。キリンは1種・9亜種に分類するとされていましたが、DNA解析で4種に分けられるという可能性が出てきています。

日本で見ることの出来るキリンの大半は、アミメキリンです。日本では他にマサイキリンを見ることが出来ます。2017年3月現在マサイキリンが見れるのは「円山動物園・徳島動物園・熊本市動植物園・宮崎市フェニックス自然動物園・平川動物公園」だけです。アミメキリンとは模様が結構違うので、是非見比べて下さいね。一言でいえばマシキリンのほうが斑点がごちゃごちゃしていて、アミメキリンのほうがはっきりしています。

苦みもへっちゃらキリンの味覚

キリンの主な食べ物はマメ科のアカシアなどです。このアカシアには鋭いとげがあり、これをむしゃむしゃ食べてしまいます。キリンは首が長く高いところの餌が食べられるだけでなく、棘がある木を選んで餌を安定確保できるようにしてるのです。動物園(京都市動物園)の場合、ニセアカシア・ルーサン・カラスノエンドウを与えるそうです。

地面の草を食べるアミメキリン

キリンは必ずしも高いところの葉ばかりを食べるわけではありません。たったまま地面の草を食べることがあります。動物園に行ったときも、子供のキリンが地面の草をむしゃむしゃ食べていました。

渋柿の渋み成分タンニンは様々な植物が防衛のために分泌することが出来ます。アカシアもキリンに食べられるとタンニンを分泌します。このタンニンがとても多く分泌されると、キリンは食べるのを避けると言われています。ただ、動物園の飼育員さんが書いた話によると、キリンに様々な木を試しに与えても苦い木をこので食べているように感じるというものです。苦いキハダに、松脂を分泌するアカマツと食べたそうです。キリンの味覚はちょっと分からないですねぇ…

ちなみに動物園で与えているニセアカシアは人間も食べられるそうです。初夏に咲く花をてんぷらにして食べるとか。そしてアカシア同様にニセアカシも葉にタンニンを多く含むみ苦いそうです。初夏になったら見つけて食べてみたいものです。

アニメでは座って寝ていてすぐハット起きましたが、一般的にキリンは殆ど寝ないと動物です。草食動物はゆっくり寝ていたら食べられてしまうので、うかうか寝ることもできないので大変です。

※参考文献
京都市動物園 「キリンタイムズZ6号・21号」


キリンの仲間オカピ

ズーラシアのオカピ
オカピ
2話で「オカピだぞー」という一言だけでさらっと流された動物の中に、オカピという動物がいます。アフリカコンゴの標高450m~1500m程度の森林地帯に生息します。数は少なく、絶滅危惧種となっています。日本の動物園では「上野動物園・ズーラシア・金沢動物園」の3つでしか見ることが出来ません。割と神経質な動物のようですが、私が見たオカピは人のことを気にもとめず草を食べていました。コンゴでは人の少ない森林以外にはいないそうなので、それだけ人馴れしているということだと思います。

このオカピはキリンの仲間で、キリン科の動物はオカピとキリンの二種となっています同じ青白い舌を持ちオスには小さな角が生え、確かにキリンと似た特性を持っています。ちなみにこのオカピは角が無いのでメスです。また、見えない共通点としてはワンダーネットというものがあります。これは首の周りにある毛細血管網のことで、長い首を上げ下げした時の血液変化を防ぎます。キリンとの違いは見た目がまずありますが、他に脊髄神経の分節の位置がちょっと違うというのがあります。この位置は首の長さと相関関係があるということなので、違いが出るほど首が伸びたということなのかもしれません。

※ワンダーネットは奇網・怪網とも言う、奇網・怪網のほうが一般的表現みたいです。

キリンの長い首の話

キリンの長い首は高いところの餌を食べるに役立っていますが、どうしてここまで首が長くても平気なのか気になるかと多いと思います。その不思議も要素要素をみると、他の動物が持っている要素が支えているのが分かります。それを紹介していきます。

まず首の骨(頸椎)の数ですが、我々人間などと同じ7つです。哺乳類はほとんが7つで、骨の数が沢山増えて伸びたのではなく、骨自体がたただ太く長く伸びただけなんですね。ちなみに首長竜と呼ばれていた恐竜の首は、たくさんの首が連なって出来ています。なので仕組みが全然違うんですね。

キリンは首が長くなったので、動物の中でも最強クラスの心臓が血液を脳へ届けています。この他にも脳へ血液を届けるために、動脈にも逆流を防ぐ弁があります。血管の逆流を防ぐ弁は人間などいろんな動物の静脈にもあり、血液の逆流を防ぐシステムとしては一般的です。

そして最後に先ほど説明したワンダーネットがあります。このシステムは魚の鰓、鳥の足、犬の首の後ろ、哺乳類の腎臓など様々な場所で見ることの出来ます。基本的には複雑な毛細血管網が熱交換器やガス交換器として働いています。ただ、キリンの場合は特別で、先ほど説明したように急激な血液変化を防ぐ緩衝システムになっています。キリンは偶蹄目牛亜目ですが、同じ牛亜目に属するヒツジは熱を発散するシステムとして、後頭部に他の動物と比べても発達したワンダーネットが存在します。オカピもこのシステムを持っているのを考えると共通の祖先の時からこのシステムが存在し、キリンはたまたま違うシステムとして役立ったと考えるのが自然なのではないでしょうか?

こうやって見るとキリンの首は特別な機能があるのではなく、一般的な動物が持つ機能を組み合わせて出来ているのが分かります。なのでキリンの首の謎は、キリンとオカピの間の首の長さを持つ動物の化石が見つかっていないことだけです。化石は様々な条件が重ならないと出来ないので、化石になることのほうが珍しいことです。なのでキリンの先祖が、なかなか化石にならないところに住んでいたのかもしれません。この最後のピースが埋まれば問題が解決するので、中間種の化石が見つかることに期待したいものです。

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リアルけものフレンズ タイリクオオカミさん




けものフレンズに登場する動物たちを紹介しようという企画です。今回は10話登場のタイリクオオカミさんを紹介します

ザ・オオカミ!

タイリクオオカミ
タイリクオオカミ
タイリクオオカミはハイイロオオカミとも呼ばれるオオカミで、一般的にオオカミと言ったらこの種類を指します。生息地はユーラシア大陸や北米で、非常に広くに生息しています。そのため非常に多くの亜種が存在します。犬も種類によって性質が違いますが、オオカミも亜種によってそういった違いがあります。例えばホッキョクオオカミはヨーロッパオオカミやシンリンオオカミと比べると、体格大きく人を警戒せず性格も穏やかであるなどです。犬もタイリクオオカミの亜種とされています。

日本の動物園で見られるオオカミの多くはシンリンオオカミです。シンリンオオカミはカナダ北西部からアメリカ北西部にかけて生息する亜種です。日本でタイリクオオカミとして飼育されているのは、2017年3月現在では多摩動物公園だけのようです。日本にいるシンリンオオカミ以外の亜種は、浜松市動物園ではヨーロッパオオカミ・天王寺動物園ではチュウゴクオオカミがいます。見比べてみるのも面白いと思います。

家族でチームプレイ

オオカミと言えば群れで生活するのは有名だと思います。この群れをパックと呼びます。パックの大きさは地域に左右され、例えばアラスカでは4~5頭・ポーランドでは7~15頭と幅あります。これはその地域に生息する餌となる動物が要因とされています。パックのリーダーは繁殖をするつがいで、その下にその子供たちがいます。そして子供どうしでも序列があります。基本的には家族で構成されるパックですが、まれに血縁の無い個体が加わることもあります。また、新たなパックを作るべく旅立つオスの子供もいます。余談ですが、キツネも子供の頃は序列があります。だた、大人になると単独行動になるので、この序列は消滅していきます。

アニメではベッドに寝ていましたが、実際のオオカミは地面に軽いくぼみをつくって寝ます。オオカミに限った話ではありませんが、丸まって寝ます。今思えば飼っていた犬が寝床をがらがさひっかいていたのは、野生の頃のなごりだったのかもしれません。子育ての時期になると巣穴を掘ります。そして子育ては巣穴の中で行います。

オオカミは肉食動物です。その地域にするシカやヘラジカなど、中~大型の草食動物を群れで狩ります。力では大型草食動物には負けますが、数とチームプレイで森の王ヘラジカやヨーロッパバッファローにも勝つことも出来ます。

群れを作ることでメリットもありますが、デメリットもあります。多くの餌や縄張りが必要になることです。地域によりますがアメリカスペリオ国有林では、4~5頭の群れで直径10~20kmの縄張りを作ります。なのでオオカミが沢山生息できるようにするには、とても広く豊かな自然が必要となります。

この縄張りを守るために臭い付けのマーキングをして回ります。そして時には遠吠えという形でも主張し、側の群れもそれに遠吠えという形で応えることがあります。ただ、この遠吠えは自らをの位置を他の群れへ示し、群れ同士の衝突を誘発することもあります。なので遠吠えもその応答も、慎重に行われます。

※参考文献
米田政明 (2006) 「知床に再導入したオオカミを管理できるか」、『動物大百科1 食肉目』 平凡社、ヴェルナー・フロイント 『オオカミと生きる』日高敏隆監修, 今泉みね子翻訳、など

オオカミは犬のご先祖様?

犬はタイリクオオカミが家畜化されたものと考えられていますが、まだはっきりとはわかってはいません。DNAの解析で中央アジアや東アジア付近が起源とされています。そこにいたタイリクオオカミが祖先となったのか、そこに居たオオカミとの共通祖先の動物が元になったかはまだ分かっていません。あくまでもタイリクオオカミが家畜化されたものというのが、主流の学説という状況です。

オオカミは個体によっては非常に親に甘える個体がいます。そいった個体は、人に対して犬のように接してきます。オオカミの亜種の話でも触れましたが、オオカミは亜種によって性質が違います。なので家畜化に際しては個体レベルの性質や亜種レベルの性質影響し、オオカミの中でも人なれしやすいものが飼いならされたのだと思います。

オオカミの遠吠えは仲間とのコミュニケーションや縄張りの主張などに使われています。犬の遠吠えも同じような意味があるでしょうが、家族でもない他の犬が遠吠えするとすぐに遠吠えしたりします。なので、意図はかなり失われ形骸化しているのかもしれません。

※参考文献
渡邊学「イヌゲノム研究の現状と課題と展望」


群れを作る多摩動物公園のオオカミ

サーバルちゃんも見ることの出来る多摩動物公園では、タイリクオオカミが飼育されています。ここの展示スペースはかなり広くとられているので、他ではあまり見られないオオカミらしい雰囲気を感じられます。

群れで歩く多摩動物公園のタイリクオオカミ
群れで歩く様子
複数のオオカミが一つの柵のなかで飼育されているので、群れのような形で歩きます。群れの形は一匹が先頭にたち、その後ろに数匹が続くという形です。先頭のオオカミは心なしか精悍な顔つきをしているように見えます。オオカミは野生だと群れで縄張りを維持するので、動物園でも同じことをしているのだと思います。

檻を引っ掻くタイリクオオカミ
こうした精悍な姿が見れる一方、犬っぽいしぐさも見ることができました。どうい理由なのか分かりませんが、展示スペースとは別に檻の中にいるオオカミもいました。そのオオカミは檻をずっと引っ掻いていました。檻がツルツルになっているので、日常的な行動なのでしょう。昔私も犬をかっていましたが、檻から出たがる時はまったく同じようなことをしていたので、何だかとても懐かしくなりました。耳を下げている姿もとてもかわいいものです。



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2017年3月9日木曜日

リアルけものフレンズ アカギツネ(キタキツネ・ギンギツネちゃん)




けものフレンズに登場する動物たちを紹介しようという企画です。今回は9話登場のキタキツネ・ギンギツネちゃんを含むアカギツネについて紹介します。

ホンドギツネ(アカギツネ)
アカギツネ(ホンドギツネ)

キタキツネもギンギツネも同じ

キタキツネと言えば北海道に生息する動物の代表です。日本には本州に住むホンドギツネとキタキツネが生息していますが、どちらもアカギツネという種類の亜種にあたります。犬でいうところの、柴犬とボーダーコリーの違いみたいなところですね。そしてギンギツネはアカギツネの黒色個体という、毛が黒色の個体のことです。黒色個体でも真っ黒なのから、灰色ぽいのまでいろいろいます。なのでキタキツネもギンギツネも、アカギツネの一種なんです。なのでアカギツネとして紹介していこうと思います。

写真はキタキツネかギンギツネのものを用意出来れば良かったのですが、なかなか会いに行くのが難しいので、動物園のホンドギツネの写真になっています。

世界中・日本中に生息する

キツネの仲間はいくつかいますが、アカギツネはもっとも多くの場所に生息します。北アフリカの一部・ユーラシア大陸・北米大陸と北半球のほとんどの場所に生息し、とても暑い・寒いところでなければだいたいどこにでも住んでいます。広い地域に住んでいるため、沢山の亜種が住んでいます。日本でもアカギツネは北海道・本州・四国・九州と殆どの地域に生息しています。そのうち北海道に住んでいるのがキタキツネという亜種、その他地域に住んでいるのがホンドギツネという亜種になります。大きさとしては柴犬など中型犬ぐらいです。キタキツネのほうがホンドギツネより若干大きいとされています。身近な中型哺乳類はいろいろいますが、キツネ・アライグマ・タヌキの順の大きさになっています。

北極周辺にはホッキョクギツネという別種がいますが、地球温暖化によりアカギツネとの競合が問題になっています。フェネックちゃんの紹介で触れましたが、ベルクマンの法則というのがあり、同種や近縁の動物では体温維持の関係で寒い地方のほうが体格が大きくなるというのがあります。シロクマの愛称で呼ばれることの多いホッキョクグマも当てはまります。しかし、アカギツネとホッキョクギツネでは成立しません。アカギツネのほうが若干大きいのです。理由としてはホッキョクギツネは餌の乏しい極地で生き延びるため、必要な餌を少なくするために体の大きさを小さくしたと考えられています。そのため温暖化で餌が豊富になりアカギツネが進出してくると、小さいホッキョクギツネは不利になってしまうんですね。

資料があまりなくはっきりしない情報として、キタキツネが本州に一部生息するという話があります。一つ目は青函トンネルを通って青森県に到達しているという話ですが、良い資料を見つけることが出来ませんでした。二つ目は国内移入種として、キタキツネが埼玉県・千葉県・愛媛県に生息するというものです。この中で千葉県に関しては千葉県発行の「千葉県の保護上重要な野生生物」で否定しています。埼玉県については不明でした。愛媛県に関しては、「愛媛県河川堤防等点検マニュアル」でキタキツネの巣穴とする写真を掲載しています。ただ、何を根拠としてキタキツネと確定しかの資料は見つかりませんでした。他にも北海道にギンギツネが一部生息しているという話です。環境省の侵略的外来生物の検討リスト移入経路が不明な動物として含まれていることや、朝日新聞ウェブ版にキタキツネとの雑種が掲載されているので、こちらについては本当のようです。

※参考文献
「千葉県の保護上重要な野生生物 -千葉県レッドデータブック-動物編 (2011年改訂版)」、「愛媛県河川堤防等点検マニュアル」、環境省生物多様性センター「動物分類群分布図」

キツネは磁場を感じる?

餌はネズミなどの小動物から、人間の出した残飯など様々で雑食です。冬も冬眠しないので積雪の多いところでは、アニメのように雪の下にいるネズミなどの小動物の音をよく聞いて飛び込み捕らえます。キツネに限らず冬を越えるのは大変なことです。温かい毛皮を持っていても、時には越えることが出来ないこともあります。

アニメで「磁気を感じるんだよ~」と言っていましたが、これにも理由があります。キツネを含むイヌ科の動物の目の網膜には、クリプトクロムというタンパク質が含まれます。このたんぱく質は鳥などの地磁気を感じると言われる多くの動物が持っています。このたんぱく質の電子スピンに地磁気が影響を与え、それが目の見え方に影響を与え磁気の方向が見えるのではないかという説があります。そしてその能力は狩りにも影響を与えるという説もあります。キツネに限らず地磁気をどう感じているかはまだはっきりしない部分が多く、まだ何とも言えないところです。生物学から量子力学まで跨っている、まだまだ謎の多い話です。

娘がお母さんを助ける

以下からアカギツネはキツネと呼ぶことにします。森などに住むことはもちろん、人里近くも好むとされます。キツネは地面に巣穴を掘って暮らしますが、人里に適応し人工物を利用することもあります。なだらかな斜面に複数の穴を掘って、そこに暮らします。巣穴は非常に長い間使われることもあるそうです。

キツネの子育ては春から秋にかけて行われます。キタキツネであれば3~4月ごろに子供の姿を見ることが出来るようになります。子育ては父親と母親の両方が行い、両親が狩りを行って子供たちに届けます。秋ごろになると巣立ちの季節になり、親たちが子供を追い出すような素振りをたまに見せるようになり、それが繰り返されることで巣立ちへつながります。

この時の面白い習性として、ヘルパーという役割があります。子育て中のキツネたちは縄張りに他のキツネを寄せ付けないようしますが、例外として娘がいます。前の年育った娘キツネが一緒に子育てに参加し、母キツネの子育てを助けるのです。

※参考文献
西澤なつ子 (2013) 「「龍谷の森」におけるキツネの生態調査」、中園敏之 (1970) 「九州におけるホンドギツネの巣穴について」

他の動物とキツネ

他の動物とキツネですがキツネは優秀なハンターであり、オースラリアに持ち込まれたキツネは様々な動物を食べて問題になっています。一方キツネ自身も他の動物に翻弄されます。

アライグマのアライさーんの紹介を見て頂いた方は気づいたかもしれませんが、アライグマとキツネは似た場所に住み人工物への適応などでも似た特性を持ちます。そのため日本キツネたちは、アライグマとの競合の可能性が指摘されています。

近年シカが様々なところで増えていますが、シカが大量発生することで植生が変化します。そうすることでネズミが減り、ミミズなど虫が増えます。キツネもその変化に合わせて、増えた虫を食べることで対応しているようです。もっともこのことによる更なる影響については、まだ分かっていません。

※参考文献
關義和,伊東正文,奥田圭,小金澤正昭「食肉目の食性はシカの影響を受けた生息環境下では変わるか?」、哺乳類保護管理専門員会 (1999) 「移入哺乳類への緊急対策に関する大会決議」

実はまだまだ分からないキツネたち

アカギツネ(ホンドギツネ)
アカギツネ(ホンドギツネ)
キツネと言えばお稲荷様や九尾狐のような言い伝えもありますが、玉藻前が石になったと言われる殺生石というものがあります。那須温泉の近くにあるこの石は、有毒な硫化水素などが出るとこにあるので、このような物々しい名前がついているようです。今回の温泉回は、きっとそれがインスピレーションにあったのでしょうね。

ここまでいろいろ書いてきたのですが、キツネに限らず身近な生き物について案外わからないこともあったりします。アカギツネの場合は広く生息しているので、きっと地域特有の様々な変わった習性があってもおかしくないはずです。日本でも環境の変化でいろいろ変化しながら生きているはずです。物語などのもよく登場し身近な動物の一つキツネですが、より詳しく知り仲良く暮らしていきたいものです。


おまけ写真ートウホクノウサギ

冬毛のトウホクノウサギ
ニホンノウサギの亜種
トウホクノウサギ
写真はのニホンノウサギの亜種トウホクノウサギです。ゆきやまちほーでのボスの説明にあったように、雪に合わせて身を隠すために白い冬毛になっています。夏は地味な茶色ぽい色をしています。亜高山帯から森林や草原と様々なところに暮らします。天敵は猛禽類や肉食動物で、キツネも天敵の一つです。写真は動物園での一幕ですが、雪の降らない動物園では白い冬毛も意味ないですね。

その他各話登場フレンズ-「サーバルちゃん」 「その他各話登場フレンズ紹介一覧」 「タイリクオオカミさん」

2017年3月4日土曜日

リアルけものフレンズ フェネックちゃん・アライグマのアライさん




けものフレンズに登場する動物たちを紹介しようという企画です。今回は1話から毎回話の最後に登場する、フェネックさんとアライグマのアライさんを紹介します。

最小クラスの狐 フェネック

フェネックギツネ
フェネック
フェネックはフェネックギツネとも呼ばれるように、イヌ科キツネ属の動物でキツネの仲間では最小クラスです。今のところ個体数は安定していて、レッドリストでは低懸念のLCです。日本の動物園でも多くの場所で見ることが出来ます。

大きさはチワワぐらいの小ささです。生息地はアフリカ南部の乾燥地帯、サハラ砂漠などに住んでいます。砂漠でみることの出来る、唯一のイヌ科の動物です。巣穴は地面に掘るタイプで、つがいを中心とした家族で暮らします。キツネ科の中では体が小さく特徴的な大きな耳を持ちます。温暖な場所では小型で耳が大きくなるなどなり、寒冷地では体が大きく耳が小さくなる、有名なベルクマンの法則に一致しています。一見寒さには弱そうですが、ある程度の耐性はあります。これは寒暖差のある砂漠に適応しているからのようです。

食性は雑食で小型の動物や昆虫から植物となんでも食べます。キツネの臭いがきついことは有名ですが、フェネックもきついようです。

日本でもペットで飼っている方もますが、今は輸入規制が厳しく80~90万円ほどするようです。餌はキャットフードと少しの野菜や卵で大丈夫です。また、最低10平方メートルほどのケージに砂やチップを敷くほうが良いとされているので、サーバルちゃんほどでないにせよ飼うのはかなり大変です。臭いもきついので室内向けじゃないそうです。犬猫以外の家畜化されてないペットを飼うのは、生半可な気持ちじゃいけませんね。

お昼寝フェネック

動物園に見に行った時は、ちょうどお昼寝中でした。その日は冬でも比較的暖かい日だったので、丸まって気持ちよさそうに寝ていました。フェネックは比較的神経質な個体が多いようですが、私が普通にマジックテープを剥がした音がした時、少しビクッとして驚かせてしまいました。もちろん悪意はないのですが、可哀そうなことをしていまい反省です。もし動物園へ見に行くことがあったら、優しく見守ってあげてくださいね。

お騒がせアライグマ

アライグマはアライグマ科の動物で、北米原産の動物です。後述しますが、日本など本来の生息地以外にも進出しています。

生息地は森林から都心とどこでも住めます。日中はねぐらで過ごし、夜に活動します。手先が器用で、木登りも得意です。基本的には単独生活です。子供の頃は愛らしく飼うこともできますが、大人になる好奇心旺盛でとどんどん攻撃的になります。大人の性格は図鑑に「あくなき好奇心、破壊的な性質、移り気」と書かれるほどです。食性は雑食で小動物から木の実に、人が出したものとなんでも食べます。アライさんの自由奔放な性格はここからですね。

森林では広い範囲をランダムに移動しますが、人間生活圏の近くに住むアライグマは餌が豊富なため行動が狭くなります。


日本のアライグマ

ここでは海外ではなく、日本のアライグマについて見ていきましょう。アライグマは飼っていたものが逃げ出して、日本でも増えていきました。アライグマラスカルで人気が出たのも一因と言われています。1970年代ではまばらに生息する程度でしたが、2000年代には「札幌・東京・名古屋・大阪・福岡」の大都市圏の郊外に多く生息するようになりました。私も一度道路を横切るアライグマらしき生き物を見たことがあります。原産の北米でもめぼしい天敵おらず、日本ではまったくいないと言ってよいレベルです。そのためどんどん増え、様々な問題を引き起こしています。

まず最初に知って欲しいこととして、アライグマには感染症を起こす寄生虫がいたり、狂犬病の可能性もあります。見つけても触らないよう注意してください。

何でも食べるので畑を荒らしたり、貴重な両生類を食べるなどの被害が発生しています。甘い果物や野菜は大好きだと言われています。餌でザリガニが好きなように、水辺を好みます。貴重な両生類の被害が発生しやすいのは、そのためでしょう。もっとも鎌倉市で行われた調査では、小さな蛾・アメリカザリガニなどの甲殻類・桑の実などが中心で、食べ物のうち10%に届かないぐらいをピーマンなどの畑の作物や残飯としていました。雑食なので地域によって食性はだいぶ変わるでしょうが、人に迷惑をかけるものだけを中心に食べているわけでは決してないようです。

本来の巣穴は地面に掘った穴で、日中や寒い時期はそこでじっとしています。このようなねぐらは複数持ちます。キツネとそのあたりは似ています。木登りが得意なので仏閣の柱を傷をつけたり、巣穴代わりに屋根裏に住み着いたりもします。さらに手先が器用なので、簡単な仕組みなものなら開けたりできます。

繁殖は春に行います。一夫多妻で、それぞれ別に生活してるメスとオス一頭という具合です。春ごろに平均で3~4頭、時には7頭ほどの子供を産みます。子育ては上手いようで、子供は3~5割の確率で大人になるのでどんどん増えます。直接的に数を減らすような対策も必要でしょうが、数が増えやすいので限界があります。生態を研究し上手く付き合う方法を模索するなど、多方向の試みが必要なようです。

参考文献
徳田宝成、岩下明生、小川博、安藤元一 (2013)「鎌倉市におけるアライグマの夏季食性」、環境省「特定外来生物 アライグマ」、『動物大百科1 食肉目』 平凡社など

その他各話登場フレンズ-「サーバルちゃん」 「その他各話登場フレンズ紹介一覧」

2017年3月1日水曜日

リアルけものフレンズ ペンギンさん達




けものフレンズに登場する動物たちを紹介しようという企画です。今回は8話登場のPPP(ぺパプ)を含むペンギン全般についてザックリ解説します。

南極から赤道まで広い生息地

プールを泳ぐフンボルトペンギン
プールを泳ぐ
フンボルトペンギン
ペンギンと言えば南極のイメージでしょうが、南極に住むアデリーペンギンから赤道に住むガラパゴスペンギンと非常に広い地域に生息しています。PPPの場合、コウテイペンギンが南極・ジェンツーペンギンが南極の北端から南米の南端の帯状地域・ロイヤルペンギンがオーストラリアの南の端のほうにあるマッコーリー島のみ・イワトビペンギンが南半球の中域の島々や南米の南端・フンボルトペンギンがフンボルト海流に沿ったチリの沿岸となっています。

日光浴をする?フンボルトペンギン
日光浴をする?
フンボルトペンギン
生息域が広いため、日本の動物園で見られる種も結構偏っています。南極に住むコウテイペンギンやアデリーペンギンが飼うのが大変で見れる動物園が少ないのに対し、比較的寒くないところに住むフンボルトペンギンやケープペンギンは数多くの動物園で見ることが出来ます。特にフンボルトペンギンは日本の気候があっているらしく、数が増えすぎて困るぐらいふえています。上の写真もフンボルトペンギンですが、日光浴をしてからプールに飛び込んでいました。日本の冬が全く寒くないかと言えばそうでもないようです。

ちなみにアデリーペンギンは、ロッテのガム・冷蔵庫メーカーのホシザキ・JR東日本の「Suica」のペンギンです。更に余計なことを言うと「Suica」は、「super urban intelligent card」が正式名称で、ペンギンとは名前的には関係ありません。

過去にはペンギンは乱獲されて減ったりしました。あのペンギンを蒸す機械はマッコーリー島にあり、ロイヤルペンギンが油を採るために蒸されていました。現代では人間の開発により生息域が減ったりしています。例えばフンボルトペンギンの場合は、グアノと呼ばれる肥料の原料の採掘のため、漁業、野生化した猫などの影響で減っています。気候変動もペンギンに大きな影響を与えていますが、種類や生息域の関係で一概に言えません。生息域が広いために種類によって影響が違うのです。生息地の温度上昇や餌の増減が絡み、一部の種は減り・一部の種は増加するという状況が予想されます。例えば、南極に住むアデリーペンギンが数を減らすと予想されるのに対し、ジェンツーペンギンは横ばいか増加すると予想されています。

※参考文献
静岡市立日本平動物園 環境学習プログラム 「フンボルトペンギン」

ペンギンが南半球に住むのは大食いだから

ペンギンの餌は主に魚やオキアミです。海を飛ぶように泳ぎ食べます。ペンギンが南半球にしか生息していないのは、この餌が関係しています。ペンギンは豊富な餌を必要とし、寒流によってできた豊富な餌場を利用しています。ガラパゴスペンギンが住んでいるところの上には餌のない海域があり、それがペンギンの生息範囲を限定しています。ちなみに寒流のお陰で、赤道直下のガラパゴス諸島も気温が抑えられています。

ペンギンは一体どれくらい潜れるのでしょうか?種類によっては差があり、大型のペンギンのほうが潜水能力が高いとされていますが、コウテイペンギンの場合は水深500mほどまで潜り、25分以上の潜水を行うことが出来ます。長時間潜るには沢山の空気が必要ですが、空気が肺にあると浮いてしまうので哺乳類では吐き出します。しかし、ペンギンでは逆に息を大きく吸い込み潜ります。コウテイペンギンの場合は10分程度の潜水であれば1分程度水面で休めば再度潜水でき、25分程度潜水した時も5~10程度休めばまた潜ることが出来ます。これは長く潜るほど無酸素運動になり乳酸値が高まるので疲れるためで、休憩時間が伸びるようです。なぜこのように長時間かつ深く潜れるかはよく分かっていないことが多いのですが、体温を下げたり心拍数を下げたり出来ることが一因のようです。

なぜここまで深く潜るのでしょうか?コウテイペンギンの仲間のキングペンギンは300m程度なら平気で潜ります。このキングペンギンが住む海域では、水深250m程に今まで知られていなかったような餌が沢山ある帯域があり、それを目指していたようです。このように深い水深にも餌場があるのが要因と思われていますが、海の中ではなかなか観察出来ず調査が難しいものです。近年では電子機器の小型化で生物に調査機器を取り付け調査するバイオロギングが発達しています。そのような機器のおかげで、少しづつ詳しく分かってくと思われます。

餌を貰うケープペンギン
餌を貰うケープペンギン
飼育されているペンギンは生きていない魚を上げるわけですが、野生ではもちろん生きた魚を食べます。なので最初は食べることが上手く出来ない個体もいるようです。写真は飼育員さんから餌を貰うケープペンギンです。ケープペンギンはフンボルトペンギンに近い仲間です。我先に我先にと集まって餌を貰っていましたが、餌をボトボト落としていました。その落ちた餌はあまり積極的に拾って食べる様子はありませんでしたが、一晩するぐらいには無くなっているそうです。

ちなみにマーゲイさんが「良い匂い~」とか言っていましたが、どちらかというと魚臭い生き物です。ペンギンに限らずカワウソなど、魚ばかり食べている生き物であんまり良い匂いがする生き物はいないと思います。

※関連文献
佐藤 克文・塩見 こずえ (2011) 「潜水深度を予測して空気量調節を行うエンペラーペンギン 鳥類の最長潜水記録更新 」、佐藤克文 (1996)「海の動物を観る: 最新テクノロジーを用いた高次捕食動物の生物学」

過酷なペンギンの子育て

コウテイペンギンという映画で過酷な子育てを知った方も多いと思います。コウテイペンギンは年に一回一匹子育てをします。コウテイペンギンは天敵を避けるために、南極内陸部で子育てします。資料によって結構幅がありますが沢山の親や子のいるコロニーから餌場まで、片道100~200km歩きます。卵を産んだメスが先に餌を食べに行き、オスはその間絶食しながら卵を温め雛が生まれれば餌を与えます。そしてメスが帰ってきたら、餌を食べに出発します。そのためオスは3ヶ月ほど絶食で耐えます。資料によっては6ヶ月近くオスが耐える場合もあるとありますが、このケースはレアなケースだと思います。メスはオス程ではありませんが、オスが帰ってくるまでか、雛がが一人でも待てるようになる生後一カ月半ほどまで絶食し、再び餌を採りにいきます。コウテイやべ~よ~という感じです。同じ南極に住むアデリペンギンは沿岸に住んでいるので、餌を採りにいっている期間は10日ほどです。

イワトビペンギンなどもっと温かいところに住むペンギンでは、年二回の子育てをします。雛も二羽ほど育てたりします。コウテイペンギンほどの絶食せず、有名なイワトビペンギンを含むマカロニペンギンの仲間であれば10日ちょっとです。イワトビペンギンは断崖絶壁をぴょんぴょん跳ねながら頑張って通勤します。よくペンギンが崖から落ちたりしても案外平気そうにしていますが、それは骨密度の高さがあります。普通の鳥は飛ぶために骨をギリギリまで削って軽くしていますが、ペンギンは泳ぐために骨密度Maxの硬い骨を持っています。そのために他の鳥にはない頑丈さを持っています。マーゲイさんの「骨太、骨密度の高い」はこのあたりのことからの発言ですね。

温かいところに住むペンギンは住むところも様々なで、ニュージーランドの森に住むキガラシペンギンなどもいます。ふるる~フンボルトペンギンは乾燥や暑さに強く、穴を掘って子育てをします。ペンギンの多くは餌の多い寒流が流れる場所に住むので、住む緯度ほどは暑くないところばかりです。ガラパゴスペンギンの住む赤道直下のガラパゴス諸島ですら、真夏の東京の月平均気温より1~2度高い程度なのです。大半のペンギンにとっては日本の気候はやはり熱いと言えると思います。最初の説明で日本ではフンボルトペンギンが増えすぎてると紹介しましたが、ペンギンの中でも比較的暑さに強いというのもやはり重要なんでしょう。

※参考文献
『動物大百科7 鳥類Ⅰ』 平凡社、著: いとう良一 監修: 佐藤克文 『知りたい!サイエンス やっぱりペンギンは飛んでいる!!』 技術評論社、上田一生 (2011)『岩波科学ライブラリー ペンギンのしらべかた』

今回はアニメもあんまり動物の紹介という感じではありませんでしたね。資料としていろいろ参考にしましたが、「やっぱりペンギンは飛んでいる!!」は雑学本的に軽く読めるのでお勧めです。

その他各話登場フレンズ-「サーバルちゃん」 「その他各話登場フレンズ紹介一覧」 「アカギツネ(キタキツネ・ギンギツネちゃん)」

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