2018年6月10日日曜日

カワニナの飼育を考える




ホタルの餌として有名な川などに住む巻貝がカワニナです。このカワニナを水槽で上手く飼ういたいと思ったので、生態を調べたり飼い方について検討してみました。

そもそもカワニナって?

カワニナは巻貝の仲間で日本分類学会連合の基準で言えば、15種が確認されています。研究が不十分であり20種程度までは増える可能性があります。このうちの10種類以上が琵琶湖水系に生息する種類で、九州~北海道に広く住むのはカワニナとチリメンカワニナの二種類です。その次に広範囲で生息するのが、静岡県~岡山県に住むクロダカワニナです。

大雑把には簡単に分類出来る

正確な分類は素人にはなかなか難しいのですが、大雑把な分類であれば琵琶湖水系以外であれば、基本的に三種類に絞れます。なので生息地域・生息環境・貝殻から、どの種の可能性が一番高いかを推測できます。

まず生息環境ですが、先ほど説明したように琵琶湖水系には非常に多く住んでいるので特定が難しいのですが、それ以外であればカワニナ・チリメンカワニナ・クロダカワニナであることが大半ということで絞れます。

生息域としてはカワニナは上流域から中流域にかけて、チリメンカワニナが中流域から汽水域、クロダカワニナが下流域に生息しています。

貝殻はカワニナとクロダカワニナは比較的ツルツルしていて、チリメンカワニナは縦助とよばれるブツブツがあります。

以上のような特徴があるので、素人にも大雑把な推測が可能です。ただし、ホタルの餌として本来生息していない種類を違う地域に放したり、地域差による違いがあるのであくまでも目安です。

カワニナの生態を知る

色々な種類のカワニナがいること知って貰えたと思いますが、このうちのスタンダードなカワニナの飼育について考るため、生態について紹介します。

どんな環境に住んでいる?

上流から中流域に住んでいるので簡単には言えませんが、ある程度水の流量がある砂礫や泥などに生息しています。また、川だけでなく水田の近くの小川や水路にもいます。タニシと共存している姿もみることが出来ます。

タニシと比べるとタニシは水が殆どなくなっても泥の中でやりすごせますが、カワニナには難しいです。そして温度もタニシほど耐えることは出来ません。なので、ある程度の水温の低さと流量は必須と言えるでしょう。

石灰質の鉱物が多い環境ほど、貝殻が立派な傾向もあるようです。これは石灰石があることで貝殻に必要なカルシウム分が供給されることや、餌の藻類にとっても良い影響があるからのようです。

どんな餌を食べるか?

藻類から落ち葉の類から魚の死骸などと、なんでも食べる雑食です。雑食性なので環境によって様々な食物に適応出来るものの、植物性のものを中心に食べ、時々動物性のものを食べるというのが基本と考えて良さそうです。

タニシと似た繁殖方法

カワニナは雌雄異体の卵胎生です。つまり、オスとメスがちゃんと居て、卵ではなく産まれた時には貝の形です。これはタニシと同じですね。

ヒルに注意

もし自然にいるカワニナを飼育するのであればヒルに注意です。良く目を凝らせばヒルが付いているのが見えたりします。カワニナ付いている可能性が高いヒルは、魚には影響を与えない可能性が高いようですが、カワニナには影響を与える可能性があります。

カワニナに影響を与えるヒラタビルの場合塩分には弱く、3%の塩水で5分で活動を停止します。また、カルキ入りの水道水にカワニナを10分程度入れるというのを試してみましたが、活動は停止しなくても弱る様子は観察できました。

どちらの方法もカワニナにもダメージはあるものの、ヒルほどのダメージは受けません。よく目視で観察しながら、何らかの対策をしたほうが良いでしょう。

参考文献
菊地 慶二・梅津 剛 「ヒラタビルのカワニナ捕食実験とその駆除手法について 」、寺居 雅広 ・梅津 剛 「シマイシビルの生態及び駆除手法に関する実験的研究 」

飼育環境を考える

飼育で最低限必要な水槽と餌について考えてみます。

どんな水槽が良いか?

砂礫から泥に住むということで、水槽用のポピュラーな砂利や砂なら何でも対応できると思います。

ある程度流れを作ったほうが良いはずなので、エアレーションかろ過装置を取り付けると良いでしょう。水中のpHを保つ目的で、アサリやカキの貝殻なんかもあると良いと思います。

餌は何が良いか?

結論から言えば魚用の人工飼料が良いと思います。

キャベツやうどんと植物性のものである程度柔らかいものをあげれば何でも食べるようですが、それだけだとたんぱく質が不足します。なので動物性の餌をあげる必要があります。

そこで手間のかからないバランスの良い人工飼料でもあればよいのですが、カワニナ用というのはありません。クロダカワニナの飼育についての文献ではコイの餌を使ったとあるので、雑食性の魚の餌も良いと思います。そして植物性中心ということを考えて代替でプレコの餌を実際あげてみましたが、これはなかなか食いつきが良かったです。専用の飼料がない以上、幾つかを日替わりで与えるというのも手だと思います。

小さいお子さんがいる家では、自由研究として日替わりでいろいろあげるのも面白いかもしれないですね。

参考文献
高見 明宏 (1995) 「室内飼育におけるクロダカワニナの成長と産仔数」

カワニナがブルーギルを食べる

最後に飼育からは逸れますが、カワニナなどがブルーギルの増加の抑制に役立っているという面白い話があるので紹介します。

ブルーギルも魚なので卵の時期がありますが、その卵をカワニナやタニシなどの貝がどうやら食べているらしいという観察報告があるのです。

ブルーギルは子育てをする魚で、稚魚や卵に近づく魚を追い払います。しかし、貝類には特に反応しません。そして実験での卵の捕食が確かめられている上に、原産地の北米でも自然界での捕食が確認されています。

ただ、貝類による捕食で減るのは、産卵された数の中で5%程度と予想されているので、大きな効果があるとは言い難いところです。それでもこういう事実がある以上、在来種である貝類の生息環境を守ることこそが、他の在来種を守ることにつながることになりそうです。

参考文献
中 尾 博 行・ 川 端 健 人・ 藤 田 建 太 郎・ 中 井 克 樹・ 沢 田裕 一 (2006)「外来魚ブルーギルの卵 ・仔 魚に対する在来巻貝類 による捕食」

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