2017年3月9日木曜日

リアルけものフレンズ アカギツネ(キタキツネ・ギンギツネちゃん)




けものフレンズに登場する動物たちを紹介しようという企画です。今回は9話登場のキタキツネ・ギンギツネちゃんを含むアカギツネについて紹介します。

ホンドギツネ(アカギツネ)
アカギツネ(ホンドギツネ)

キタキツネもギンギツネも同じ

キタキツネと言えば北海道に生息する動物の代表です。日本には本州に住むホンドギツネとキタキツネが生息していますが、どちらもアカギツネという種類の亜種にあたります。犬でいうところの、柴犬とボーダーコリーの違いみたいなところですね。そしてギンギツネはアカギツネの黒色個体という、毛が黒色の個体のことです。黒色個体でも真っ黒なのから、灰色ぽいのまでいろいろいます。なのでキタキツネもギンギツネも、アカギツネの一種なんです。なのでアカギツネとして紹介していこうと思います。

写真はキタキツネかギンギツネのものを用意出来れば良かったのですが、なかなか会いに行くのが難しいので、動物園のホンドギツネの写真になっています。

世界中・日本中に生息する

キツネの仲間はいくつかいますが、アカギツネはもっとも多くの場所に生息します。北アフリカの一部・ユーラシア大陸・北米大陸と北半球のほとんどの場所に生息し、とても暑い・寒いところでなければだいたいどこにでも住んでいます。広い地域に住んでいるため、沢山の亜種が住んでいます。日本でもアカギツネは北海道・本州・四国・九州と殆どの地域に生息しています。そのうち北海道に住んでいるのがキタキツネという亜種、その他地域に住んでいるのがホンドギツネという亜種になります。大きさとしては柴犬など中型犬ぐらいです。キタキツネのほうがホンドギツネより若干大きいとされています。身近な中型哺乳類はいろいろいますが、キツネ・アライグマ・タヌキの順の大きさになっています。

北極周辺にはホッキョクギツネという別種がいますが、地球温暖化によりアカギツネとの競合が問題になっています。フェネックちゃんの紹介で触れましたが、ベルクマンの法則というのがあり、同種や近縁の動物では体温維持の関係で寒い地方のほうが体格が大きくなるというのがあります。シロクマの愛称で呼ばれることの多いホッキョクグマも当てはまります。しかし、アカギツネとホッキョクギツネでは成立しません。アカギツネのほうが若干大きいのです。理由としてはホッキョクギツネは餌の乏しい極地で生き延びるため、必要な餌を少なくするために体の大きさを小さくしたと考えられています。そのため温暖化で餌が豊富になりアカギツネが進出してくると、小さいホッキョクギツネは不利になってしまうんですね。

資料があまりなくはっきりしない情報として、キタキツネが本州に一部生息するという話があります。一つ目は青函トンネルを通って青森県に到達しているという話ですが、良い資料を見つけることが出来ませんでした。二つ目は国内移入種として、キタキツネが埼玉県・千葉県・愛媛県に生息するというものです。この中で千葉県に関しては千葉県発行の「千葉県の保護上重要な野生生物」で否定しています。埼玉県については不明でした。愛媛県に関しては、「愛媛県河川堤防等点検マニュアル」でキタキツネの巣穴とする写真を掲載しています。ただ、何を根拠としてキタキツネと確定しかの資料は見つかりませんでした。他にも北海道にギンギツネが一部生息しているという話です。環境省の侵略的外来生物の検討リスト移入経路が不明な動物として含まれていることや、朝日新聞ウェブ版にキタキツネとの雑種が掲載されているので、こちらについては本当のようです。

※参考文献
「千葉県の保護上重要な野生生物 -千葉県レッドデータブック-動物編 (2011年改訂版)」、「愛媛県河川堤防等点検マニュアル」、環境省生物多様性センター「動物分類群分布図」

キツネは磁場を感じる?

餌はネズミなどの小動物から、人間の出した残飯など様々で雑食です。冬も冬眠しないので積雪の多いところでは、アニメのように雪の下にいるネズミなどの小動物の音をよく聞いて飛び込み捕らえます。キツネに限らず冬を越えるのは大変なことです。温かい毛皮を持っていても、時には越えることが出来ないこともあります。

アニメで「磁気を感じるんだよ~」と言っていましたが、これにも理由があります。キツネを含むイヌ科の動物の目の網膜には、クリプトクロムというタンパク質が含まれます。このたんぱく質は鳥などの地磁気を感じると言われる多くの動物が持っています。このたんぱく質の電子スピンに地磁気が影響を与え、それが目の見え方に影響を与え磁気の方向が見えるのではないかという説があります。そしてその能力は狩りにも影響を与えるという説もあります。キツネに限らず地磁気をどう感じているかはまだはっきりしない部分が多く、まだ何とも言えないところです。生物学から量子力学まで跨っている、まだまだ謎の多い話です。

娘がお母さんを助ける

以下からアカギツネはキツネと呼ぶことにします。森などに住むことはもちろん、人里近くも好むとされます。キツネは地面に巣穴を掘って暮らしますが、人里に適応し人工物を利用することもあります。なだらかな斜面に複数の穴を掘って、そこに暮らします。巣穴は非常に長い間使われることもあるそうです。

キツネの子育ては春から秋にかけて行われます。キタキツネであれば3~4月ごろに子供の姿を見ることが出来るようになります。子育てはつがいで行い、両親が狩りを行って子供たちに届けます。秋ごろになると巣立ちの季節になり、親たちが子供を追い出すような素振りをたまに見せるようになり、それが繰り返されることで巣立ちへつながります。

この時の面白い習性として、ヘルパーという役割があります。子育て中のキツネたちは縄張りに他のキツネを寄せ付けないようしますが、例外として娘がいます。前の年育った娘キツネが一緒に子育てに参加し、母キツネの子育てを助けるのです。

※参考文献
西澤なつ子 (2013) 「「龍谷の森」におけるキツネの生態調査」、中園敏之 (1970) 「九州におけるホンドギツネの巣穴について」

他の動物とキツネ

他の動物とキツネですがキツネは優秀なハンターであり、オースラリアに持ち込まれたキツネは様々な動物を食べて問題になっています。一方キツネ自身も他の動物に翻弄されます。

アライグマのアライさーんの紹介を見て頂いた方は気づいたかもしれませんが、アライグマとキツネは似た場所に住み人工物への適応などでも似た特性を持ちます。そのため日本キツネたちは、アライグマとの競合の可能性が指摘されています。

近年シカが様々なところで増えていますが、シカが大量発生することで植生が変化します。そうすることでネズミが減り、ミミズなど虫が増えます。キツネもその変化に合わせて、増えた虫を食べることで対応しているようです。もっともこのことによる更なる影響については、まだ分かっていません。

※参考文献
關義和,伊東正文,奥田圭,小金澤正昭「食肉目の食性はシカの影響を受けた生息環境下では変わるか?」、哺乳類保護管理専門員会 (1999) 「移入哺乳類への緊急対策に関する大会決議」

実はまだまだ分からないキツネたち

アカギツネ(ホンドギツネ)
アカギツネ(ホンドギツネ)
キツネと言えばお稲荷様や九尾狐のような言い伝えもありますが、玉藻前が石になったと言われる殺生石というものがあります。那須温泉の近くにあるこの石は、有毒な硫化水素などが出るとこにあるので、このような物々しい名前がついているようです。今回の温泉回は、きっとそれがインスピレーションにあったのでしょうね。

ここまでいろいろ書いてきたのですが、キツネに限らず身近な生き物について案外わからないこともあったりします。アカギツネの場合は広く生息しているので、きっと地域特有の様々な変わった習性があってもおかしくないはずです。日本でも環境の変化でいろいろ変化しながら生きているはずです。物語などのもよく登場し身近な動物の一つキツネですが、より詳しく知り仲良く暮らしていきたいものです。


おまけ写真ートウホクノウサギ

冬毛のトウホクノウサギ
ニホンノウサギの亜種
トウホクノウサギ
写真はのニホンノウサギの亜種トウホクノウサギです。ゆきやまちほーでのボスの説明にあったように、雪に合わせて身を隠すために白い冬毛になっています。夏は地味な茶色ぽい色をしています。亜高山帯から森林や草原と様々なところに暮らします。天敵は猛禽類や肉食動物で、キツネも天敵の一つです。写真は動物園での一幕ですが、雪の降らない動物園では白い冬毛も意味ないですね。

その他各話登場フレンズ-「サーバルちゃん」 「その他各話登場フレンズ紹介一覧」 「タイリクオオカミさん」

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