2015年4月19日日曜日

理研 一般公開2015和光地区 Part2




前回の記事Part1の続きです

スパコン Hokusai great wave

Hokusai great wave のロゴ
Hokusai great wave のロゴ

Hokusai great waveは2015年4月に登場した新型スーパーコンピューターです。現在日本には3箇所でしか稼動していないシステムです。

Hokusai great waveに組み込まれているFX100
京の後継機 FX100

3つのシステムからなるスパコンで「京の発展型のマシン」「Tesla搭載のGPGPUマシン」「1ノード1TBのメモリを搭載するマシン」の3つを同じネットワーク・ストレージに繋ぐことで、ユーザーは複数のシステムをシームレスに使用することが出来ます。
FX100のシャーシとメインボード
FX100のシャーシとメインボード

また、「京の発展型のマシン」FX100は京の10倍の処理能力を持ち、京から2世代進んだものとなっています。

Hokusai great wabeのストレージシステムの一部
ストレージシステム
このシステムは理研の職員が研究のため利用するための計算リソースとして用意されたものです。なので、ジャンル問わず様々なプログラムが走っています。

理研のふえるわかめちゃん

ふえるわかめちゃんの胞子体
ふえるわかめちゃんの胞子体

リケンと言えば「ふえるわかめちゃん」を思い浮かべる方もいるかと思いますが、「ふえるわかめちゃん」のためにワカメの品種改良の研究も行っています。

ワカメは新芽ワカメなら柔らかくてそのまま食べれるのですが、大きく育ったワカメの場合は芯抜きという作業が必要になります。この作業が結構な手間で、ワカメ生産者の高齢化が進む今では大きな負担になっています。

また、ワカメは1年程度かけて大きく育てて収穫するのですが、収穫期が一度ということはその時期に負担が集中してしまい、各種加工設備もそのピークにあわせる必要が出たりしてきます。

それを解決するためにワカメの生育を早め年に何回も新芽ワカメを収穫しようということで、ワカメの品種改良を行っています。

この品種改良のとき役立つのが理研の重イオンビーム技術です。ビームをワカメに当てることで突然変異を促し品種改良のスピードを速めることができます。

わかめちゃんサンプル
新商品のサンプル

そんなこんなで品種改良が行われてきたのですが、完成は近いそうです。今回そのサンプルを配っていました。

食べれば食感が全然違うのですぐ分かるらしいです。食べるときは通常品と比べて食べられるようサンプルと通常品両方をセットで配布していました。

他にもいろいろあったのですが時間の関係で全てを回ることができませんでした。来年も機会があったら勉強に行こうと思います。一年に一回の公開なので、一度訪れてみるのも面白いと思います。

理研 一般公開2015和光地区 Part1




2015年4月18日に埼玉県和光市にある理化学研究所の一般公開があるので言ってきました。

和光にある理研って?

理化学研究所は様々な研究をするという場所はご存知の方も多いと思います。理研は全国に何箇所も研究拠点を持っていますが、和光市にある研究所が本部となっています。

ここではシンクロトロンと呼ばれる加速器を使った物理系の実験や脳科学などの生物系など幅広くやっています。

一般公開は私のようなずぶの素人でも研究施設を見学することができ、第一線で研究している研究者や学生さんから説明を受けることができます。

今回の記事では素人なり見てきた・説明していただいたことを紹介していきたいと思います。

素人がよく理解せずに書いているので誤りも多いかと思います。なので、軽く読んでいただければと思います。

サイクロトロンで原子に迫る

理研和光にあるサイクロトロン
超伝導リングサイクロトロン
和光のにあるサイクロトロンでは最大

物理系の研究として原子の性質に迫るというものがあります。

原子の性質が分かることで、世の中の物質の仕組みが分かったり、人類に役立つ放射性物質を得ることが出来たり、宇宙の創生の謎が分かったりします。

では、どのように謎に迫るかといいますと、原子と原子をぶつけることで新しい原子や同位体を作ることで迫っていきます。

そうすることで予想される新しい元素の性質と実際の性質を比較したりして理解を深めていくことが出来ます。

その新しい原子などを作るときに役立つのが写真にあるサイクロロトロンです。

作る原子によってイオンの種類は異なりますが、イオン化したウラン・カルシウム・キセノンをサイクロトロンと呼ばれる加速器で光の7割の速度まで加速させます。そして、ビスマスの壁に思いっきりぶつけることで元の原子がはじけ飛んだり・合体したりして新しい原子が生まれます。

理研和光のビームライン
サイクロトロンから続くビームライン
この中を加速したイオンが通る
和光理研の搬入扉
搬入扉
放射線遮蔽のためとても分厚い
この新しい原子を作る過程で放射線が出たりします。そのためこの施設自体が地下にあり、施設自体が分厚いコンクリートで覆われています。写真は搬入扉のものですが、とにかく分厚いです。

ただし、放射線が飛び交うのは稼動中のみで、停止中は地上と変らないレベルのところが多いです。

Part2に続く

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