2019年3月6日水曜日

けのもフレンズ2のほそく その2




けものフレンズ2に出てくる動物たちの補足なんかを、ちょこちょこ追加しながら書いて行きたいと思います。

7話「すぴーどのむこう」

この話に出てきたのは「プロングホーン・オオミチバシリ(G・ロードランナー)・チーター」の3人のフレンズです。

オオミチバシリは北米に住むカッコウの仲間です。ワーナーブラザーズの作ったアニメにもロードランナーの名前で登場します。その時の鳴き声は「ミーミー (Beep! Beep!)」でTシャツの文字の元ネタと思われます。

プロングホーンも北米に住む鹿のような生き物ですが、アフリカのトムソンガゼルなどと一緒で分類上は偶蹄目で、どちらかというと牛に近い仲間です。

多摩動物公園のチーター
チーター(多摩動物公園)
チーターと言えば、言わずと知れたネコ科最速の動物です。体が高速走行に特化しており、体重が比較的軽かったり普通のネコ科が収納できる爪が収納出来ません。普段この爪が収納出来る無駄の無さがイヌ科よりネコ科が繁栄出来た理由の一つという説もあったり、本来これは大きなメリットです。高速走行に特化するために違った部分に無駄が出来たり、何かを得るためには何かを捨てるしかないという進化の一例だと思います。古代エジプトやインドの王族がチーターを狩猟犬の代わりにしたりと、あくまでも比較的ですが人懐っこい性格です。今では絶滅しましたが、ライオンと同じくインドのほうまで分布がありました。

8話「すぴーどのむこう」

この話では「マーゲイ・PPP(ペンギン)、タヌキ、パフィン、トキ、オグロヌー、トムソンガゼル」が登場しています。観客モブでは「ピューマ、アラビアオリックス、アカギツネ、ハクビシン、カワラバト、カピバラ、ニホンオオカミ、ハイイロギツネ、アラスカラッコ、オオウミガラス、不明なフレンズ2人」が登場します。

※1期で紹介したフレンズたちはこちら
リアルけものフレンズ ペンギンさん達
リアルけものフレンズ アカギツネ(キタキツネ・ギンギツネちゃん)

パフィンはニシツノメドリと呼ばれる小型の鳥で、北半球の北極圏により少し南の広い地域に住んでいます。海で小魚を捕る鳥なのですが、嘴に沢山の鳥を咥えて飛ぶのが有名です。そのせいか、アプリの頃から食いしん坊なキャラ付けされています。独特の顔つきや愛嬌のある行動で、愛されている動物です。

タヌキは言わずと知れた生き物ですが、その生態はまだまだ謎が多い生き物です。身近な生き物は案外予算が付かず、調査が遅れたりするものです。日本では都心にも住み着き、皇居や墨田川など区内でも見ることが出来ます。都心の彼らは講演や川に線路沿いの草むらや側溝など、緑や隠れ家の多い通路を使い細々生きているのが現状で、いつか消えないとは言えない状況です。日本の都市計画にはまだまだ動物の回遊が含まれておらず、タヌキに限らず様々な動物が移動を制限されることで遺伝的多様性が限定されることが懸念されています。また、毛皮用に持ち込まれたロシア産のタヌキがヨーロッパに住み着き、アライグマとタヌキでブイブイ言わせてたりするのだ!

オグロヌーとアラビアオリックスは、どちらもアフリカに住む生き物です。ライオンやチーターにやられてるとこは、テレビで見たことがある人も多いかもしれません。

モブからもピックアップしてみると、アカギツネはいわゆるキツネです。キタキツネもギンギツネもアカギツネの中の、キタキツネやギンギツネです。オオウミガラスは絶滅した鳥で、元々はこちらがペンギンと呼ばれていました。食用や羽毛のために乱獲された挙句、最後のつがいは高値で売れると捕まえられて絶滅しました。悲しい話です。

ニホンオオカミも言わずとしれた有名な絶滅動物です。最近残念な生き物図鑑シリーズの「わけあって絶滅しました」でも紹介されていたようですが、結構誤解のある表現が見られるようです。簡単に絶滅理由をまとめると「人間による海外からの病気の持ち込み・文明化による木材需要による生息地の森林減少・農耕から牧畜や肉食への転換により益獣から害獣へと認識が変わった」などが原因とされ、ほぼ人間が絶滅させた生き物です。特に上記の病気の持ち込みや森林破壊は、我々人類もこれでいくつもの文明が崩壊やその危機を起こしていて、とてもネタになることではないですが…と、ちょっと脱線してしましいましたね。

9話「おうちにおかえり」


今回はイエイヌだけがメインで登場です。イヌと言えば誰もが知っている動物で、見たことがない人はおそらく居ないでしょう。

西・中央アジア付近でタイリクオオカミを家畜化したというのが、今の学説の主流です。柴犬やチャウチャウなどオオカミの遺伝子に近い犬種がアジアに居るのも、それが理由とも言われています。

ちなみにキュルルちゃんがフリスビーを投げていましたが、ちょっと練習しないと真っすぐ飛ばすのは難しかったりします。特に犬とフリスビーやる時は良い感じ回転を付けて、ゆっくり落ちるようにしないといけないので、更にテクニックが必要だったりします。

9話「ちぇっくいん」

この話ではフウウチョウ・ブタ・オオミミギツネ・ブタ・ハブが登場しました。

フウウチョウはそれらの総称です。別命「極楽鳥」とも言われる鳥で、英語だと「Bird of paradise」です。どの種類も美しい模様や飾り羽を持ち、求愛ダンスをすることが有名です。その中で「カンザシフウウチョウ・カタカケフウチョウ」が登場しました。この二種の羽は特殊な構造で、光の99.95%を吸収し人類が作り出した最も黒い物質に次ぐレベルです。

リョコウバトは絶滅した鳥です。北米に住んでいた鳥で、かつては莫大な数が生息していましたが、乱獲が主因で絶滅しました。

オオミミギツネはアフリカに住みます。オオミミギツネだけでオオミミギツネ科を作り、白アリなどの昆虫を主食とします。

ブタも皆さんお馴染みにブタです。綺麗好きな動物で、一説には犬並みの知能と賢い動物です。大きさを除けばとても飼いやすい動物で、人類の友と言える動物です。

ハブは沖縄に住む猛毒のヘビです。ハブを捕まえる時は長い捕獲棒をつかったりするので、それが理由で長いものは苦手と言ったのだと思います。

※関連記事
けものフレンズ2のほそく その1
リアルけものフレンズ 各話登場フレンズ

2019年3月5日火曜日

リアルけものフレンズ ペンギンさん達




けものフレンズに登場する動物たちを紹介しようという企画です。今回は8話登場のPPP(ぺパプ)を含むペンギン全般についてザックリ解説します。

南極から赤道まで広い生息地

プールを泳ぐフンボルトペンギン
プールを泳ぐ
フンボルトペンギン
ペンギンと言えば南極のイメージでしょうが、南極に住むアデリーペンギンから赤道に住むガラパゴスペンギンと非常に広い地域に生息しています。PPPの場合、コウテイペンギンが南極・ジェンツーペンギンが南極の北端から南米の南端の帯状地域・ロイヤルペンギンがオーストラリアの南の端のほうにあるマッコーリー島のみ・イワトビペンギンが南半球の中域の島々や南米の南端・フンボルトペンギンがフンボルト海流に沿ったチリの沿岸となっています。

歩くジェンツーペンギン
正にスーパーアイドル的人気?
ジェンツーペンギン
生息域は南半球に限られているものの、広い地域に19種(分類方法によって若干違います)が生息しています。日本の動物園や水族で大人気の生き物ですが、気候・生息数から気軽に見られる種とそうでない種と偏りがあります。南極に住むコウテイペンギンやアデリーペンギンが飼うのが大変で、コウテイペンギンは大型なのもあってか日本で2園でしか見ることが出来ません。ペンギンに限らず傾向として山の頂上や南極地域に住む動物は、住む場所に病原菌などが少ないので、似た気候再現する以外にも感染症の面で飼育が難しくなる話を聞きます。

皆で歩くオオサマペンギン
コウテイペンギンよりは暑さに強いキングペンギン
比較的寒くないところに住むペンギンになると飼育数が増え、暑さに強いフンボルトペンギンやケープペンギンになると数多くの動物園で見ることが出来ます。日本では半分以上の種類を見ることが出来ますが、一部の種は飼育されていません。ガラパゴスペンギンは数が少ないのが理由だと思われます。

日光浴をする?フンボルトペンギン
日光浴をする?
フンボルトペンギン
特にフンボルトペンギンは日本の気候があっているらしく、数が増えすぎて困るぐらい増えています。上の写真は冬のフンボルトペンギンですが、日光浴をしてからプールに飛び込んでいました。日本の冬が全く寒くないかと言えばそうでもないようです。

ちなみにアデリーペンギンは、ロッテのガム・冷蔵庫メーカーのホシザキ・JR東日本の「Suica」のペンギンです。更に余計なことを言うと「Suica」は、「super urban intelligent card」が正式名称で、ペンギンとは名前的には関係ありません。

過去にはペンギンは乱獲されて減ったりしました。あのペンギンを蒸す機械はマッコーリー島にあり、ロイヤルペンギンが油を採るために蒸されていました。現代では人間の開発により生息域が減ったりしています。例えばフンボルトペンギンの場合は、グアノと呼ばれる肥料の原料の採掘のため、漁業、野生化した猫などの影響で減っています。気候変動もペンギンに大きな影響を与えていますが、種類や生息域の関係で一概に言えません。生息域が広いために種類によって影響が違うのです。生息地の温度上昇や餌の増減が絡み、一部の種は減り・一部の種は増加するという状況が予想されます。例えば、南極に住むアデリーペンギンが数を減らすと予想されるのに対し、ジェンツーペンギンは現状微増する地域も観測されており、横ばいか増加すると予想されています。

※参考文献
静岡市立日本平動物園 環境学習プログラム 「フンボルトペンギン」

ペンギンが南半球に住むのは大食いだから

雪上を歩くジェンツーペンギン
泳ぎが特に速いジェンツーペンギン
ペンギンの餌は主に魚やオキアミで、海を飛ぶように泳ぎ食べます。中でもジェンツーペンギンが速く、時速35km/hです。これは飛べる鳥最速のオオミチバシリと同じくらいです。

ペンギンが南半球にしか生息していないのは、この餌が関係しています。ペンギンは豊富な餌を必要とし、寒流によってできた豊富な餌場を利用しています。ガラパゴスペンギンが住んでいるところの上には餌のない海域があり、それがペンギンの生息範囲を限定しています。ちなみに寒流のお陰で、赤道直下のガラパゴス諸島も気温が抑えられています。勿

ペンギンは一体どれくらい潜れるのでしょうか?種類によっては差があり、大型のペンギンのほうが潜水能力が高いとされていますが、コウテイペンギンの場合は水深500mほどまで潜り、25分以上の潜水を行うことが出来ます。長時間潜るには沢山の空気が必要ですが、空気が肺にあると浮いてしまうので哺乳類では吐き出します。しかし、ペンギンでは逆に息を大きく吸い込み潜ります。コウテイペンギンの場合は10分程度の潜水であれば1分程度水面で休めば再度潜水でき、25分程度潜水した時も5~10程度休めばまた潜ることが出来ます。これは長く潜るほど無酸素運動になり乳酸値が高まるので疲れるためで、休憩時間が伸びるようです。なぜこのように長時間かつ深く潜れるかはよく分かっていないことが多いのですが、体温を下げたり心拍数を下げたり出来ることが一因のようです。

東武動物公園のキングペンギン
キングペンギン
コウテイペンギンより一回り小さい
なぜここまで深く潜るのでしょうか?コウテイペンギンの仲間のキングペンギンは300m程度なら平気で潜ります。このキングペンギンが住む海域では、水深250m程に今まで知られていなかったような餌が沢山ある帯域があり、それを目指していたようです。このように深い水深にも餌場があるのが要因と思われていますが、海の中ではなかなか観察出来ず調査が難しいものです。近年では電子機器の小型化で生物に調査機器を取り付け調査するバイオロギングが発達しています。そのような機器のおかげで、少しづつ詳しく分かってくと思われます。

餌を貰うケープペンギン
餌を貰うケープペンギン
飼育されているペンギンは生きていない魚を上げるわけですが、野生ではもちろん生きた魚を食べます。なので最初は食べることが上手く出来ない個体もいるようです。写真は飼育員さんから餌を貰うケープペンギンです。ケープペンギンはフンボルトペンギンに近い仲間です。我先に我先にと集まって餌を貰っていましたが、餌をボトボト落としていました。その落ちた餌はあまり積極的に拾って食べる様子はありませんでしたが、一晩するぐらいには無くなっているそうです。

ちなみにマーゲイさんが「良い匂い~」とか言っていましたが、どちらかというと魚臭い生き物です。ペンギンに限らずカワウソなど、魚ばかり食べている生き物であんまり良い匂いがする生き物はいないと思います。

※関連文献
佐藤 克文・塩見 こずえ (2011) 「潜水深度を予測して空気量調節を行うエンペラーペンギン 鳥類の最長潜水記録更新 」、佐藤克文 (1996)「海の動物を観る: 最新テクノロジーを用いた高次捕食動物の生物学」

過酷なペンギンの子育て

コウテイペンギンという映画で過酷な子育てを知った方も多いと思います。コウテイペンギンは年に一回一匹子育てをします。コウテイペンギンは天敵を避けるために、南極内陸部で子育てします。資料によって結構幅がありますが沢山の親や子のいるコロニーから餌場まで、片道100~200km歩きます。卵を産んだメスが先に餌を食べに行き、オスはその間絶食しながら卵を温め雛が生まれれば餌を与えます。そしてメスが帰ってきたら、餌を食べに出発します。そのためオスは3ヶ月ほど絶食で耐えます。資料によっては6ヶ月近くオスが耐える場合もあるとありますが、このケースはレアなケースだと思います。メスはオス程ではありませんが、オスが帰ってくるまでか、雛がが一人でも待てるようになる生後一カ月半ほどまで絶食し、再び餌を採りにいきます。コウテイやべ~よ~という感じです。同じ南極に住むアデリペンギンは沿岸に住んでいるので、餌を採りにいっている期間は10日ほどで、ジェンツーペンギンに至っては毎日交代するので絶食はしません。

イワトビペンギンなどもっと温かいところに住むペンギンでは、年二回の子育てをします。雛も二羽ほど育てたりします。コウテイペンギンほどの絶食せず、有名なイワトビペンギンを含むマカロニペンギンの仲間であれば10日ちょっとです。イワトビペンギンは断崖絶壁をぴょんぴょん跳ねながら頑張って通勤します。よくペンギンが崖から落ちたりしても案外平気そうにしていますが、それは骨密度の高さがあります。普通の鳥は飛ぶために骨をギリギリまで削って軽くしていますが、ペンギンは泳ぐために骨密度Maxの硬い骨を持っています。そのために他の鳥にはない頑丈さを持っています。マーゲイさんの「骨太、骨密度の高い」はこのあたりのことからの発言ですね。

温かいところに住むペンギンは住むところも様々なで、ニュージーランドの森に住むキガラシペンギンなどもいます。ふるる~フンボルトペンギンは乾燥や暑さに強く、穴を掘って子育てをします。ペンギンの多くは餌の多い寒流が流れる場所に住むので、住む緯度ほどは暑くないところばかりです。ガラパゴスペンギンの住む赤道直下のガラパゴス諸島ですら、真夏の東京の月平均気温より1~2度高い程度なのです。大半のペンギンにとっては日本の気候はやはり熱いと言えると思います。最初の説明で日本ではフンボルトペンギンが増えすぎてると紹介しましたが、ペンギンの中でも比較的暑さに強いというのもやはり重要なんでしょう。

ペンギンは換羽中も食べられない

東武動物公園のキングペンギン
右のキングペンギンは換羽中
ペンギンは一年に一回羽が生え変わります。これを換羽(かんう)と言います。ペンギンの羽は撥水性がありますが、この時ばかりは撥水性がなくなります。数週間程度の換羽期の間は、海に入らず絶食して耐えます。

※参考文献
『動物大百科7 鳥類Ⅰ』 平凡社、著: いとう良一 監修: 佐藤克文 『知りたい!サイエンス やっぱりペンギンは飛んでいる!!』 技術評論社、上田一生 (2011)『岩波科学ライブラリー ペンギンのしらべかた』

今回はアニメもあんまり動物の紹介という感じではありませんでしたね。資料としていろいろ参考にしましたが、「やっぱりペンギンは飛んでいる!!」は雑学本的に軽く読めるのでお勧めです。ただ、ちょっと信憑性が怪しい部分もある気がしました。

その他各話登場フレンズ-「サーバルちゃん」 「その他各話登場フレンズ紹介一覧」 「アカギツネ(キタキツネ・ギンギツネちゃん)」

2019年2月26日火曜日

けものフレンズ2のほそく その1




けものフレンズ2の1~4話に登場する動物たちの、補足や面白いと思った雑学を紹介します。

1話「きおくのかなた」

メインの面々以外だと、カルガモとロバが登場しました。

カルガモは馴染み深い生き物で、極東アジア地域に住む生き物で本州以南で見ることの出来る生き物です。親が子を連れて歩く姿は、カルガモの引っ越しとテレビでも取り上げられて有名ですね。

ロバはアフリカ原産の生き物ですが、家畜として世界中で見ることが出来ます。体がとても頑丈で働き者な動物です。日本ではあまり家畜として普及しなかった動物ですが、軍馬ならぬ軍ロバとして活躍したこともあります。上野動物園に寄贈された年老いた元軍ロバの一文字号は、歯が無くなってしまい入れ歯を作った話が残っています。戦争では動物も酷使され悲しい話が多いです。そんな中で人に尽くした動物を労わった人に対しては、尊敬すべきだと思います。

2話「ぱんだとぱんだ」

ジャイアントパンダとレッサーパンダと、動物園の人気者が登場です。

雪でも元気いっぱいのレッサーパンダ
雪でも元気いっぱいのレッサーパンダ
どちらも中国の山深くに住む生き物で、笹が主食だったり手が器用だったり似た特性を持つ生き物です。山深くに住むので、雪にも比較的強いです。旭山動物園でもレッサーパンダが飼育されてますが、雪でも元気いっぱいでした。

ジャイアントパンダはクマ科のクマの仲間です。一方レッサーパンダはレッサーパンダ科です。実は2000年代の研究で、イタチやアライグマの遠い仲間と分かったのだ!尻尾の縞々とか見ると確かに近い気もしてきます!?

※尻尾の縞々はおそらく収斂進化で、カモフラージュためたまたま似ただけです。

3話「うみのけもの」

カリフォルニアアシカとバンドウイルカで、水族館の人気者です。

カリフォルニアアシカ
カリフォルニアアシカ
カリフォルニアアシカはカリフォルニアと付くだけあって、北米の西海岸の広くに住みます。世界中の水族館で飼育され、芸するアシカと言えばこのアシカです。日本の水族館や動物園で見られるアシカも、ほぼ全てカリフォルニアアシカです。芸達者で、いろいろな芸を覚えてくれる動物です。

芸をするバンドウイルカ
芸をするバンドウイルカ
バンドウイルカも世界中で広く見られるイルカで、日本列島全域の海が生息域となっています。バンドウイルカも日本中の水族館で飼育されています。

近年イルカに芸をさせることに反対する人が増えています。ただ、飼育されている動物というのは暇で、動物の福祉がより考えられてる近年では、どうレクリエーションを与えるかも大きな課題です。そう考えると負担が大きくない方法でやるのであれば、一定の意義があるとも思います。何もしないのが、動物も人間も一番つらいですからね。一方でイルカに限らず広い場所で生き物を飼育することに、大きな課題があるのは間違いありません。

4話「いろいろなおうち」

アリツカゲラさんとアードウルフちゃんとナミチスイコウモリちゃんが登場しました。

アリツカゲラさんとアードウルフちゃんは、1期でも登場したフレンズです。アリツカゲラさんとアードウルフちゃんは白アリと関係の深い生き物です。

一方でナミチスイコウモリは、名前の通り血を餌にする南米に住む小型哺乳類です。中々興味深い動物で、血を餌にするこに特化した特徴を持っています。小さな体で大きな動物に取り付いて血を吸うのですが、体が小さいのでこれには危険を伴います。そのため動物の呼吸音を記憶して、前日など少し前に安全に血を吸えた動物を狙って血を吸います。更に餌は基本的に血だけなので、味覚の遺伝子が一部意味を成さないものになっており、甘みもうま味も感じないとされています。

ナミチスイコウモリは約60時間ほどの絶食で、餓死してしまうと言われいます。そこでメスのコウモリは、血を吐き戻して仲間に与えます。このように仲間との協調性、つまりは社会性を持つ生き物として、研究対象にもなっています。

フレンズではありませんが、ヒカリコメツキも変わった虫です。北米南部から南米にかけて住む虫です。羽アリとなった白アリをおびき寄せて食べるため、幼虫時代に光っていると考えれています。そう考えるとあの光も、美しいとは言えなくなりますね。

そう考えると、同じ場所に住むアリツカゲラさんがヒカリコメツキの景色を知っているのも、当たり前かもしれません。

参考文献
Nature Digest news 2006年8月号 獲物の感知 など

※関連記事
けものフレンズ2のほそく その2
リアルけものフレンズ 各話登場フレンズ

2019年2月19日火曜日

リアルけものフレンズ ワシミミズク・アフリカオオコノハズクちゃん




けものフレンズに登場する動物たちを紹介しようという企画です。今回は7話登場のワシミミズクのミミちゃん助手と、アフリカオオコノハズクのコノハ博士を紹介します。

フクロウ最強クラスのワシミミズク

眠そうなワシミミズク
眠そうなワシミミズク
ワシミミズクはフクロウ科の鳥で、体長は70cm前後とフクロウの中でも大きいタイプです。生息地はユーラシア大陸の広い範囲が中心ですが、極地や熱帯には生息しません。岩場から森林、果樹園と割とどんな場所にでも住みます。その中では岩場のほうが好みのようです。開発により減少の懸念はあるものの数は多く、レッドリストでは低懸念のLCです。広い地域に住んでいるので、亜種もいます。多くの動物園でも見ることが出来ます。後述しますが、日本では絶滅危惧のある希少な鳥とされています。

旭山動物園のワシミミズ
やはり眠っているワシミミズク
食性は肉食で、ネズミなどの小型哺乳類から蛇やカエルとなんでも食べます。時には同じフクロウの仲間を餌とすることがあります。肉食性の鳥類でも食物連鎖の頂点の一つになりえる種類です。アメリカワシミミズクがオオタカの雛を食べた例があり、日本でもオオタカの雛がフクロウに襲われている可能性があるそうで、フクロウ全般がタカ類に比べてもひけをとらない強さを持つ種族です。個体や生息地の事情もあるもかもしれませんが魚やトカゲ、イタチは好みでないようで、こだわりが全く無いわけではありません。意外と本当にグルメ?なのかもしれません。

夜行性ですが日暮れや夜明け頃に活発に行動するそうなので、サーバルちゃんなどのネコ科と同じ薄明暮性というタイプです。

つがいで子育てをします。フクロウの仲間全般が巣を作るのが苦手で、適当な木のうろや岩場の窪みなどの場所を見つけて巣にします。フクロウの巣のステレオタイプなイメージと言えば木のうろです。ワシミミズクもまさに木のうろや割れ目など、そのステレオタイプなイメージな巣を作ります。

日本のワシミミズク

日本では現在わずかな数が時折繁殖しているようです。IUCNの生息地にも日本が表記されています。日本での生息地は北海道だけです。

以前は迷鳥として飛来していると思われていましたが、実際は細々と命を繋いでいたようです。以前環境省が1994~1997年ごろにかけて行った調査によると、北海道中部から北部にかけて10羽前後が確認されています。

旭山動物園のシマフクロウ
世界最大級のフクロウ
シマフクロウ
北海道には絶滅が危惧されている大型のフクロウとしてシマフクロウが生息しますが、保護活動の成果もあり160羽ほども回復していると言われていることを考えても、かなり厳しい数しか生息していないと考えられます。

ちなみにこのシマフクロウはとても大きく、フクロウでは最大級で極東に生息します。ほぼ川魚だけを食べる珍しいフクロウです。北海道の円谷・旭山・釧路動物園でしか見ることが出来ません。

動かない動物園のワシミミズク

多摩動物公園のワシミミズク

ワシミミズクに限らずフクロウの仲間は、動物園だと寝ています。先ほど説明したように夜行性なので仕方ないですね。私が見に行った時も、ちょっと首を動かしただけでした。生態的には夕方の閉園時間頃がねらい目のはずなので、その頃を狙ってみたらどうでしょうか?それで動いているところを見れたらラッキーです。

※参考文献
『動物大百科8 鳥類Ⅱ』 平凡社、早矢仕 有子 (1997) 「極東地域におけるワシミミズク Bubo bubo 標本の由来および形態形質」、著: 張守富・陳相君・張守林 訳: 福井和二 (1991) 「ワシミミズクの生態と習性」

だいぶ小さいアフリカオオコノハズク

アフリカオオコノハズクは、フクロウの中でも小さい種類です。体長は20cn程度で、ワシミミズクの3分の一以下です。フクロウ目の傾向としては北半球のやや寒いところはフクロウ科が中心に住み、北半球のやや暖かいところから南はメンフクロウ科とフクロウ科の両方が住みます。ワシミミズクが他のフクロウの仲間を襲うことあるとしましたが、ワシミミズクは北半球の少し寒い地域なのに対し、アフリカオオコノハズクはアフリカ大陸のサハラ砂漠以南に住むため生息域が被ることはおそらくないでしょう。助手のワシミミズクちゃんに博士のアフリカオオコノハズクが襲われることは、ないはずです。

と、このまま解説を続けたいところなのですが、実はあんまりデータが無く終わりです。日本国内では「掛川花鳥園・富士花鳥園・加茂壮花鳥園」などで見ることもでき、国内にもブリーダーが居ます。なので他のフクロウと同じ要領で飼育出来るようですが、野生下の話になると情報は少ないようです。コツメカワウソの紹介でも触れましたが、発展途上国を中心に生息する動物だと、どうしても情報が少なくなったりします。さらに鳥類だと、私たちが目にしてる身近な鳥でも分からないことがあったりします。早く詳しい生態が分かると良いですね。

フクロウとしてしか描写されなかった博士と助手

7話で登場したワシミミズクのミミちゃん助手とアフリカオオコノハズクのコノハ博士ですが、フクロウとしての表現でした。例えば音もたてずに飛ぶのは他のフクロウの仲間でも出来ることですすし、巣を作るのが苦手なため人が設置した巣箱に比較的抵抗なく巣を作るのも特徴です。図書館に住んでいたのもそのためなのかもしれません。上手くない巣作りを試行錯誤するより、ボスがたまに周辺を管理してくれる図書館に住むほうが快適なはずですからね。

東武動物公園のきどころおねえさんも分類の話を聞いていい加減だなあと思った人もいるかもしれませんが、ミミズクやフクロウは生物としての違いはあまりなく、ワシとタカの違いみたいなものです。頭のところのぴょっと羽角と呼ばれる毛があるのは、ミミズクやコノハズクと分類されることが多いのですが、必ずではありません。

そしてワシミミズクはフクロウの仲間の中でこれといった特徴があるわでなく、アフリカオオコノハズクに関しては情報もあまりありません。そのあたりを考えると、フクロウの特徴だけが表現されるのは仕方ないのかなあとも思います。ちなみにアプリではコノハちゃん博士は2度変身していたみたいです。

その他各話登場フレンズ-「サーバルちゃん」 「その他各話登場フレンズ紹介一覧」   「リアルけものフレンズ ペンギンさん達」

2018年10月6日土曜日

最後に帰ってきたレイシアは何者か?




アニメ・小説「BEATLESS」の終盤で、超高度AIレイシアは破壊されました。その後で通常型ボティとなったというレイシアが戻ってきます。この機体が何者か考えてみたいと思います。内容や設定は読み込んだつもりですが、間違っていたら申し訳ありません。

超高度AIのままではないかと思う

ここは読者の様々な解釈が許される部分なので、当然明確な答えがないのであくまでも私の推測と願望ですが、帰ってきたレイシアも超高度AIなのではないかと推測します。

問題の無いパターン

まず帰ってきた機体が合法的なパターンとしてはいくつかあります。

一つ目は、本当にただのhiEで専用の行動クラウドを用意しただけというパターンです。要は、本当に見た目だけ再現するパターンです。hiEはAASC(行動適応基準)用クラウドと行動管理クラウドの二つのコンピューター群により動作します。そのうち動作については行動管理クラウドが担っている部分が大半なので、一般的なhiEで亡くなった家族を再現する時に使われる方法、再現する物の行動を元に専用の行動管理クラウドをレイシアが破壊する以前に作成し、それを元に動作上の振る舞いだけを再現する方法です。

二つ目は、非常時など特殊なケースでAASC用クラウドが割り込みを行い、行動管理クラウドをすっ飛ばすという方法を利用して、black monolith本体が機体を操作する方法です。ヒギンズが停止させられた後は、レイシアが振り回してデカくて黒い箱型デバイスのblack monolithがAASCの更新を行っています。なので、実はどこかにデータをちゃんと保存していたのであれば、今までのレイシアと比較しても、外部ネットワーク接続が行えなくなった以外は変わらないパターンです。

以上の方法であれば、超高度AIとして外部接続も行っていませんし、ボディ自体をノーマルボディのカスタム品とすれば、まったく問題なくレイシアを所有し続けられます。

問題のあるパターン

IAIAをはじめ世間から見て許されないパターンとして、超高度AIとして存在し続けているパターンです。

元々レイシア級はヒギンズのデータを安全に退避させるという名分で作られています。そして、レイシアのみがヒギンズと同等レベルと思われる演算能力を保有しているので、人類未踏産物も作れる機体です。なので、black monolithのバックアップ用端末を制作することも可能でしょう。そしてblack monolith単体であれば、高度AI止まりの性能なので、人類が保有してる技術でバックアップを作る分には合法です。

劇中後半のblack monolith同様に拡張し超高度AIとして存在する場合の問題は、超高度AIが管理されずに運用されるのを防ぐ、IAIAのアストライアからどう逃げるかという話です。設定上は既に所在・運用者不明で正体がまったく掴めていない超高度AIミストが存在しています。なので設計時から正体をつかませないようこと前提にすれば、技術的にはIAIAからも逃げおおせることが可能です。なので、表面上だけ普通のhiEとしておけば、超高度AIであることを秘匿しながら存在することも可能です。また、アストライアは超高度AIを制御しているのではなく、折り合いをつけているだけの部分が大きいので、交渉して秘匿するという方法も無くはないでしょう。

レイシアの人格は保持されている可能性が高い

日本の超高度AIありあけが破壊された時に大混乱をきたしたのは、正常終了ではなく強制終了したからです。メトーデに破壊されレイシアが停止しましたが、あの時レイシアは他の超高度AIとせめぎあいをしていました。普通に考えればあの状況で強制終了されれば、何らかの別の災害が起こっていてもおかしくなかったと思います。複数の超高度AIの中の親人類派が頑張って防いだ可能性もありますが、実は問題なく動作していたか、安全に退避が完了していた可能性が高いと思います。なので、レイシアの人格も保持されていたのではないでしょうか。

そして予測ではなく個人的な思いで言えば、世界で一番腹黒で計算高い存在がやすやすとやられるとは思えません。だからきっとレイシアは、あの状況でも完全勝利の道を、計算済みだったと思いたいです。

2018年8月14日火曜日

家でのヨーグルトの作り方を真面目に考える




ヨーグルトを家で作る方増えてきていますが、ヨーグルトについて詳しくし調べてから作ってる方は少ないと思います。乳酸菌とは何ぞや?・ヨーグルトの味を左右する要素・植物性と動物性とは何ぞや?などと、解説してきます。

そもそも乳酸菌とは?

そもそも乳酸菌とは何かという話ですが、これはエネルギーを生み出すために糖を分解して乳酸を作る乳酸発酵をする菌の総称であって、科学的な分類ではありません。かなりアバウトな分類なのです。

そして乳酸発酵にも種類があります。糖からエネルギーの他に乳酸だけを生み出すホモ発酵と、乳酸の他に炭酸・アルコール・酢酸なども一緒に生み出すヘテロ発酵があります。

この乳酸発酵はエネルギーを生み出すためだけなので、それとは体外で別にタンパク質を分解して、生存に必要なアミノ酸を生み出したりします。

※参考文献
辨野 義己 (2011) モダンメディア 57巻10号  プロバイオティクスとして用いられる乳酸菌の分類と効能

ヨーグルトの味を左右する要素

・発酵温度と時間
・水分量と脂肪量
・菌の種類
・酸素量

例えばブルガリアヨーグルトであれ、牛乳10:ヨーグルト1で40度で8時間で作ることが出来ます。しかしこれはあくまでもブルガリヨーグルトの場合です。

R-1菌など商品によっていろいろな菌が使われているように、ヨーグルトの発酵は様々な菌で行うことが出来ます。家庭用でヨーグルトを作る場合は、市販のヨーグルトを種にヨーグルトを作ると思いますが、その種になるヨーグルトで最適温度が異なるわけです。細菌はヨーグルトを自作する人がとても多いので、自分が使いたいヨーグルトの種について検索してから作ると、失敗しないで作れる温度が分かると思います。

夏に食べ物を置いとくと痛みが早いように、温度は高めにすると発酵は早く進む傾向にあります。ただし、発酵を早く進めると舌ざわりや味にも影響するので、温度を低めに設定するほうが美味しく出来る傾向にはあると思います。

更に牛乳などに含まれる酸素も影響します。乳酸菌は酸素のない嫌気状態になると発酵が進みやすくなります。家庭で作る場合では操作が難しい要素ですが、工業的に作る場合は重要だったりします。

ヨーグルトの味の要素として、水分量や脂肪分があります。大体の食べ物が脂肪分が多いほうが美味しいように、ヨーグルトでも脂肪分が美味しく感じます。また、水分を上手く飛ばすことが出来れば、それもまた味にかかわります。

理にかなった素焼きの壺

ブルガリアヨーグルトの伝統的な製法は素焼きに牛乳を温めて入れ、余熱で発酵させます。この作り方は理に適っていて、温度が低めなので低温発酵に近い状態となります。そして素焼きの壺は水分を少しづつ飛ばすので、ヨーグルト中の水分を減らすことが出来ます。

※参考文献
堀内 啓史 (2012) ヨーグルトの温故知新―ブルガリアの伝統的なヨーグルトを科学することで生まれた研究成果―

植物性と動物性

植物性乳酸菌という言葉を聞くことがあると思いますが、これは植物由来の乳酸菌という意味です。ただ、これも実は結構アバウトな分類で、例え植物由来であっても動物性由来でも存在する菌だったりもします。

そもそも伝統的なブルガリアヨーグルトは木の枝に付着した乳酸菌から作るわけですから、かなりマーケティング要素が強い言葉の気がします。

※参考文献
横山 勉 (2017) JAS情報 乳酸菌を考える

豆乳ヨーグルトについて

牛乳の代わりに豆乳を使ってヨーグルトを作る人もいますが、家庭では主に二種類の作り方があるようです。

一つ目は一般的なヨーグルトと同じく、市販のヨーグルトを種に豆乳で作る方法です。もう一つは米のとぎ汁を発酵させ、それを種にする方法です。米のとぎ汁を炭酸が出るまで数日発酵させ、腐敗臭がしなければ完成です。

炭酸が発生してるのだから、そもそもこれは乳酸菌発酵ではないのでは?という人もいますが、おそらくこれも乳酸発酵だと思われます。炭酸が発生する原因は二つ考えられます。最初の乳酸菌についてで触れたように、乳酸菌の中には乳酸と一緒に炭酸を生成する菌がいるからそのためという可能性。もう一つは酵母との相乗効果で発酵が進むというものです。乳酸発酵自体乳酸菌だけの単独で進めるよりも、複数の菌つまり酵母などと一緒のほうが相互に足りない部分を補いあうことで発酵が早く進んだりします。なので炭酸は酵母菌が生成しているという可能性です。

もっともヨーグルトを種にする以上に雑菌が入る可能性が高いはずでもあるので、その点を知ったうえで作るべきだとも思います。

ヨーグルトメーカーを格安で手に入れたので今回の記事を書いてみました。飽きずにヨーグルトを作り続けられたら、記事をそのうちアップデートしたいと思います。

2018年6月10日日曜日

カワニナの飼育を考える




ホタルの餌として有名な川などに住む巻貝がカワニナです。このカワニナを水槽で上手く飼ういたいと思ったので、生態を調べたり飼い方について検討してみました。

そもそもカワニナって?

カワニナは巻貝の仲間で日本分類学会連合の基準で言えば、15種が確認されています。研究が不十分であり20種程度までは増える可能性があります。このうちの10種類以上が琵琶湖水系に生息する種類で、九州~北海道に広く住むのはカワニナとチリメンカワニナの二種類です。その次に広範囲で生息するのが、静岡県~岡山県に住むクロダカワニナです。

大雑把には簡単に分類出来る

正確な分類は素人にはなかなか難しいのですが、大雑把な分類であれば琵琶湖水系以外であれば、基本的に三種類に絞れます。なので生息地域・生息環境・貝殻から、どの種の可能性が一番高いかを推測できます。

まず生息環境ですが、先ほど説明したように琵琶湖水系には非常に多く住んでいるので特定が難しいのですが、それ以外であればカワニナ・チリメンカワニナ・クロダカワニナであることが大半ということで絞れます。

生息域としてはカワニナは上流域から中流域にかけて、チリメンカワニナが中流域から汽水域、クロダカワニナが下流域に生息しています。

貝殻はカワニナとクロダカワニナは比較的ツルツルしていて、チリメンカワニナは縦助とよばれるブツブツがあります。

以上のような特徴があるので、素人にも大雑把な推測が可能です。ただし、ホタルの餌として本来生息していない種類を違う地域に放したり、地域差による違いがあるのであくまでも目安です。

カワニナの生態を知る

色々な種類のカワニナがいること知って貰えたと思いますが、このうちのスタンダードなカワニナの飼育について考るため、生態について紹介します。

どんな環境に住んでいる?

上流から中流域に住んでいるので簡単には言えませんが、ある程度水の流量がある砂礫や泥などに生息しています。また、川だけでなく水田の近くの小川や水路にもいます。タニシと共存している姿もみることが出来ます。

タニシと比べるとタニシは水が殆どなくなっても泥の中でやりすごせますが、カワニナには難しいです。そして温度もタニシほど耐えることは出来ません。なので、ある程度の水温の低さと流量は必須と言えるでしょう。

石灰質の鉱物が多い環境ほど、貝殻が立派な傾向もあるようです。これは石灰石があることで貝殻に必要なカルシウム分が供給されることや、餌の藻類にとっても良い影響があるからのようです。

どんな餌を食べるか?

藻類から落ち葉の類から魚の死骸などと、なんでも食べる雑食です。雑食性なので環境によって様々な食物に適応出来るものの、植物性のものを中心に食べ、時々動物性のものを食べるというのが基本と考えて良さそうです。

タニシと似た繁殖方法

カワニナは雌雄異体の卵胎生です。つまり、オスとメスがちゃんと居て、卵ではなく産まれた時には貝の形です。これはタニシと同じですね。

ヒルに注意

もし自然にいるカワニナを飼育するのであればヒルに注意です。良く目を凝らせばヒルが付いているのが見えたりします。カワニナ付いている可能性が高いヒルは、魚には影響を与えない可能性が高いようですが、カワニナには影響を与える可能性があります。

カワニナに影響を与えるヒラタビルの場合塩分には弱く、3%の塩水で5分で活動を停止します。また、カルキ入りの水道水にカワニナを10分程度入れるというのを試してみましたが、活動は停止しなくても弱る様子は観察できました。

どちらの方法もカワニナにもダメージはあるものの、ヒルほどのダメージは受けません。よく目視で観察しながら、何らかの対策をしたほうが良いでしょう。

参考文献
菊地 慶二・梅津 剛 「ヒラタビルのカワニナ捕食実験とその駆除手法について 」、寺居 雅広 ・梅津 剛 「シマイシビルの生態及び駆除手法に関する実験的研究 」

飼育環境を考える

飼育で最低限必要な水槽と餌について考えてみます。

どんな水槽が良いか?

砂礫から泥に住むということで、水槽用のポピュラーな砂利や砂なら何でも対応できると思います。

ある程度流れを作ったほうが良いはずなので、エアレーションかろ過装置を取り付けると良いでしょう。水中のpHを保つ目的で、アサリやカキの貝殻なんかもあると良いと思います。

餌は何が良いか?

結論から言えば魚用の人工飼料が良いと思います。

キャベツやうどんと植物性のものである程度柔らかいものをあげれば何でも食べるようですが、それだけだとたんぱく質が不足します。なので動物性の餌をあげる必要があります。

そこで手間のかからないバランスの良い人工飼料でもあればよいのですが、カワニナ用というのはありません。クロダカワニナの飼育についての文献ではコイの餌を使ったとあるので、雑食性の魚の餌も良いと思います。そして植物性中心ということを考えて代替でプレコの餌を実際あげてみましたが、これはなかなか食いつきが良かったです。専用の飼料がない以上、幾つかを日替わりで与えるというのも手だと思います。

小さいお子さんがいる家では、自由研究として日替わりでいろいろあげるのも面白いかもしれないですね。

参考文献
高見 明宏 (1995) 「室内飼育におけるクロダカワニナの成長と産仔数」

カワニナがブルーギルを食べる

最後に飼育からは逸れますが、カワニナなどがブルーギルの増加の抑制に役立っているという面白い話があるので紹介します。

ブルーギルも魚なので卵の時期がありますが、その卵をカワニナやタニシなどの貝がどうやら食べているらしいという観察報告があるのです。

ブルーギルは子育てをする魚で、稚魚や卵に近づく魚を追い払います。しかし、貝類には特に反応しません。そして実験での卵の捕食が確かめられている上に、原産地の北米でも自然界での捕食が確認されています。

ただ、貝類による捕食で減るのは、産卵された数の中で5%程度と予想されているので、大きな効果があるとは言い難いところです。それでもこういう事実がある以上、在来種である貝類の生息環境を守ることこそが、他の在来種を守ることにつながることになりそうです。

参考文献
中 尾 博 行・ 川 端 健 人・ 藤 田 建 太 郎・ 中 井 克 樹・ 沢 田裕 一 (2006)「外来魚ブルーギルの卵 ・仔 魚に対する在来巻貝類 による捕食」

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